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トップクリエイターのすごい企画書&プレゼン

来場者のリアクションをゴールイメージとして共有する

日本科学未来館で開催中の「MOVE 生きものになれる展 ―動く図鑑の世界にとびこもう!―」は、さまざまな生きものの生態を疑似体験できる前代未聞の体験型展示だ。「観客自身が生きものになる体験をする」という未知のコンセプトを、どのようにプレゼンし、共有していったのか。

タイトルとコピーだけ書かれた3枚のシートがはじまり

もしも鳥になって空を飛んだらどんな感じなんだろう?カンガルーのお母さんの袋の中はきっと暖かくてふかふかなんだろうな…。子どもの頃、「もし自分があの動物だったら」と想像をしたことのある人は少なくないはず。そんな想像を現実に体験できるのが、東京お台場の日本科学館で開催中の「MOVE 生きものになれる展―動く図鑑の世界にとびこもう!―」だ。

この展覧会はその名の通り、バシリスクになって水上を駆け抜ける体験をしたり、特製のダンゴムシスーツを着て丸まってみたり、ライオンになって狩りをしたり、ペンギンになって氷上を滑走したりなど、さまざまな生きものの生態を疑似体験できる、前代未聞の体感型イベントである。

この展覧会の企画の元となったのは、講談社の発行する累計270万部の人気図鑑『動く図鑑「MOVE」』シリーズだ。迫力の写真とNHKの自然映像を収めたDVDで、これまでの「図鑑」のイメージを裏切るダイナミックな誌面づくりを行い学習図鑑市場で話題となっている。出版物の形式以外でこのコンテンツを展開できないかと考えていたシリーズ編集長の森定泉さんと電通CDCのクリエイティブディレクター高草木博純さんの出会いから、この展覧会は生まれた。

「2014年に『進撃の巨人展』の仕事をしたのですが、そこで出版コンテンツが全く別の形で花開く面白さを感じました。その時ちょうど『MOVE』編集長の森定さんが同じようにコンテンツを立体展開できないかと考えていると聞き、お会いすることになったんです」と話す。

高草木さんと電通のコピーライター舩木展子さんがその初顔合わせに持っていったのが、展覧会のタイトルとキャッチのみが書かれた3枚のシートだった。「中身は特に書いていなくて、これだけ持っていきました。まだ何もないのに、あたかも世の中にあるものとして、広告コピーのラフのように書いて出したんです」。森定さんがそれを「面白い」と感じたところから、一緒にプロジェクトをスタートさせることになったという。

クリエイティブディレクションチームは、高草木さんと船木さん、森定編集長、MOVEのDVD制作を担当していたNHKエンタープライズ プロデューサー(当時)の山田崇臣さんを中心に構成され、毎週2日ほど集まりアイデアを出し続けたという。展示は各社が出資し、出資額に応じて利益配分するジョイントベンチャーのような形にすることになった。それゆえ、クライアントにプレゼンを行って承認を得るのではなく、ビジョンを共有しながら同じ目線で事業を立ち上げるスタイルとなった …


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