日本全国各地で生まれるブランド食材の数々。その背景とネーミングのトレンドを、「グルメエンターテイナー」として活動するフォーリンデブはっしーさんに聞いた。

ブランド米が続々登場する理由
ーここ数年で登場したブランド米は、どれもネーミングに力が入っていますね。
ネーミングをキャッチーなものにすることで、乱立する新ブランド米の差別化を図っていますよね。食感やおかずとの相性など、お米には本当はさまざまな個性があるんですが、一般の方はそこまで味の違いがわかりません。にもかかわらず競争は激化しているという中で、せめてネーミングなどのキャッチーなところで差別化しようということだと思います。
ー新ブランド米がここまで増加している理由は何でしょうか。
昔ながらの銘柄の価格競争が激しくなってきていて、新ブランド米を出すことで、価格の引き上げを図ろうというのが狙いの1つです。新しい銘柄は希望価格として値段を調整しやすいんです。また、気候的な要因もあります。温暖化対策米といって、暖かい気候でもちゃんと収穫量がキープできるお米の開発が求められているなど、複数の要因があると思います。
新ブランドが増えているのは米だけではありません。肉や魚も同じです。「松阪牛」「神戸牛」といった昔ながらのエリアブランドでは差別化しづらくなっていて、香川県の「オリーブ牛」や山梨の「甲州ワインビーフ」など、餌で差別化したブランド名が増えています。この名前で売るために、生産段階からPRのファクトを持たせて差別化するというやり方が、ひとつのトレンドになっています ...