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SNS時代に効く! ネーミング

ネーミング×味×パッケージ 三拍子揃って生まれたヒット商品

「新生 湖池屋」の新商品「KOIKEYA PRIDE POTATO」が今年2月に発売され、半年足らずで初年度の目標を達成するヒットとなった。ネーミングをはじめとする、そのヒットの要因を探った。

「KOIKEYA PRIDE POTATO」
白を基調にしたシンプルなデザイン、自立する形状など、これまでのポテトチップスのイメージを覆す斬新なデザイン。3つのフレーバーで展開。

新生「湖池屋」を象徴する商品

昨年10月にコーポレートブランドの統合を実施し、「新生 湖池屋」として新たな一歩を踏み出したスナック菓子の老舗メーカー湖池屋。その第1弾となるブランドが、「KOIKEYA PRIDE POTATO」だ。ポテトチップスのプレミアムラインとして発表され、今年2月には3種類のラインナップ「秘伝濃厚のり塩」「松茸香る極みだし塩」「魅惑の炙り和牛」を発売した。

ポテトチップスらしからぬシズル感のあるこの3つのフレーバーは、どのように決まったのか。湖池屋ブランドマネージャーの野田幸宏さんは、次のように話す。「ポテトチップスの定番フレーバーは、『のり塩』『うすしお』『コンソメ』の3つです。それをどうプレミアムラインで表現するかを考えました。湖池屋の創業者・小池和夫は、日本人に合う味覚を追求し、のり塩にたどり着いたというエピソードがあります。

そこで我々は原点に立ち返り、『和』をテーマにすることにしました。のり塩は湖池屋が55年間販売を続けてきた定番商品なので、引き続きプレミアムラインに残すことにし、残りの定番であるうすしおは日本料理にヒントを得てだし塩に、コンソメはより和の色合いを強めて和牛を使うことにしました」。

フレーバーを検討する過程と並行して、商品のネーミングも進められた。ネーミングを担当した電通のコピーライター鈴木晋太郎さんは、相談を受けた時の印象を次のように振り返る。

「いち消費者の感覚になって考えると、ポテトチップスにプレミアムラインが出ても特段驚かないかもしれないと思いました。今は他社もプレミアム商品をたくさん出しているので、どうしたら本気の高級ラインであることを伝えられるか、ニュース性が出るかを考えました。とはいえ、高級感を打ち出すことに本気になりすぎて100円台のスナック菓子であることを忘れてしまっても、消費者が置いてきぼりになってしまう。そのちょうどいいバランスを意識しました」。

そこで鈴木さんは、のり塩は湖池屋が最初につくった商品だから「秘伝」、和牛はやみつきになる味だから「魅惑」と、基本的な考え方からずらすことなく、大げさでおかしみのあるネーミングにする方法で名前を考えていったという。

「KOIKEYA PRIDE POTATO」自体のブランド開発(ネーミングやスローガン、ブランドブック)も同チームが同時並行で進めている。野田さんは「今までの伝統や技術を受け継ぎながらも進化したことを表現する企業ロゴやCIを開発しました。それを体現する第1弾商品のネーミングを依頼したところ、スローガンの中にある“湖池屋の誇り”という言葉から、『KOIKEYA PRIDE POTATO』を提案いただいたんです。

それ以外にもたくさんの案がありましたが、湖池屋のプライドを賭けた商品にはこれだと、チームメンバー全員がすぐに納得しました ...

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いかに短く、キャッチーな言葉で、話題になるネーミングを行うか。最近話題の商品・サービスのネーミングを見ると、一貫してそのような視点が感じられる。SNS につい書き込みたくなる言葉、メディアが取り上げやすい言葉、ネーミング自体に視点や問題提起が含まれている言葉――。SNS 時代になり、ネーミングにも新たな黄金ルールが生まれているのではないだろうか。今回の特集では、さまざまなジャンルのネーミングの生みの親に、どんな狙いを持ってネーミングを行ったのかを取材。今の時代に効くネーミングの作法を明らかにする。

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