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PR発想で進化する広告クリエイティブ

社会的問題に対する企業のスタンスを消費者は見ている

  • ミッシェル・ハットン(エデルマン)

世界的なPRエージェンシーの中でもクリエイティビティを重視する動きが強まっている。グローバルで最大手のエデルマンは、社内にクリエイティブチームを抱える。同社ヨーロッパ地域COOで、2017年のカンヌライオンズPR部門審査員も務めたミッシェル・ハットンさんに、同社の考えるクリエイティビティについて尋ねた。

世界陸上ロンドン大会でロンドン市内に設置した、動きに反応して色が変わるアシックスのインタラクティブリング。

元記者やメディア専門家が在籍 アイデアが必然的にPR視点に

──エデルマンのクリエイティブチームについて教えてください。

「消費者のアテンションを得て、感情に訴えかけ、行動を変えるきっかけとなる、最高の仕事をする」。それがエデルマンのクリエイティブチームのミッションです。私たちが生み出すのは、頭から離れないストーリー。思わず他人にシェアしたくなるアイデア。友人や家族も知っているようなキャンペーンです。そのために、メディア、チャネル、プラットフォームに縛られないストーリーを描き、言葉、映像、体験、そしてテクノロジーを駆使して消費者に届けます。

その実現には、多種多様なバックグランドやさまざななスキルを持ち合わせたスタッフからなるチームが必要です。エデルマンには「Sector(セクター)」や「Practice(プラクティス)」と呼ばれ、テクノロジーやヘルスケアなどクライアントの業界に精通している人材と、「Specialists(スペシャリスト)」と呼ばれ、メディアリレーションやリスク評価などの特定スキルに長けている人材がいます。

アイデアを出す際には、業界に精通しているスタッフに加え、プランナー、クリエイティブ、デジタル、ソーシャル、元記者や映像制作のプロからなるコンテンツプロデュースチーム、リサーチ専門家やデータアナリストが加わり、一つのチームとなります。このプロセスで一番大事なのは、どれだけ魅力的なストーリーを描けるかですから、そのためにも、専門性と多様性を掛け合わせることが重要だと考えています。

──広告会社とPRエージェンシーのクリエイティブの違いは何だと思いますか?

私たちは、思わず人に話したくなるようなストーリーを描くためのアプローチを、「Earned-Centric, Social by Design」と呼んでいます。ただ面白さのみを追求しても、社会性や新規性、季節性といったようなメディアが取り上げたくなる要素が組み込まれていないと、ニュースになりません。元記者やメディア専門家が在籍するPRエージェンシーは、アイデアを評価する際も必然的にPR視点(=Earned-Centric)になりやすいと言えます ...

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PR発想で進化する広告クリエイティブ

広告で人が動きづらくなっている世の中で、社会的文脈に沿った情報発信とクリエイティブやアイデアの力をかけ合わせ、ブランドに対する関心や好意度を高めていく「クリエイティブPR」に注目が集まっている。広告を打っただけでSNSで話題にするのは難しく、たとえ話題になり拡散されたとしても、炎上のような形で悪いレピュテーションが広がっては逆効果。生活者からどれだけ共感と好意的な反応を狙って引き出せるか、広告表現はもとより、その先の反応や評判まで設計することが求められるようになっている。そのためには、生活者が深く共感する文脈と人にシェアしたくなる魅力的な表現の双方を掛け合わせる必要がある。今回の特集では、クリエイティブPRにいち早く取り組んで成功した事例を中心に、これからの広告クリエイティブに欠かせない“PR視点の発想”を解き明かしていく。

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