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コンセプトからヒットを生む 広告と商品デザイン

りんごそのもののおいしさを追求、「ブレない」アートディレクション

長野県上田市の海野町商店街に2019年10月にオープンした、「信州アップルパイ研究所Q(キュー)」。少し変わった名前と店舗から商品まで統一されたデザインはどのようにして生まれたのか。

CONCEPT

信州りんごは好きですか?

あらかじめブランドビジョンを言葉化する

「信州アップルパイ研究所Q」は上田市に本社をおく豊上製菓のブランドだ。その名の通り、アップルパイとアップルジュースを販売している。それまでOEM(他社ブランド製品の製造)をメインに土産用の菓子などを製造してきた同社が、独自のブランドを持とうと立ち上げたものだ。

「Q」のコンセプトから店舗空間のデザイン、パッケージや制服のデザインに至るまでを手がけたのは、arica design 取締役/アートディレクター 早坂宣哉さんだ。豊上製菓の菓子の原料や分量のディレクションを担うパティシエール 関口倭代さんからの紹介で、今回の仕事を担当することに。「地元の特産である信州りんごを軸にした専門店の計画が進み、商材がアップルパイにある程度決まってきた段階で、ブランドのアートディレクションの依頼をいただきました」と、早坂さんは説明する。

まずは上田市のりんごの味を最大限に生かしたお菓子がなかったことを背景に、「上田の素材を使い、上田で製造し、上田で提供できる、これぞ“上田のスイーツ”と呼ばれるものを」という大きな方針を決めた。「それを元に提案した店舗名の中の1案が“アップルパイ研究所”『Q』でした。信州りんごそのものと向き合い、おいしさを模索・追求し続けるという姿勢から、研究所をイメージ。問いを意味する『Q』を店名に掲げています」(早坂さん)。

最終的には微調整が入ることもあるものの、「今回のように長く続くブランド設計をする際は、あらかじめブランドビジョンをスタッフ間で言葉化しておくことが多いですね。こういうことに長けたコピーライター 遠藤誠之さんに依頼しました」と、早坂さんは話す。「関係者間で『うちのブランドとは○○だ』というものを端的にわかりやすく表して共有しておくと、そこからブレずに実際の制作を進められるんです。制作の過程で議論が違う方向に進んでしまうことがあっても、この原点に立ち戻り、また同じ方向を向いて考えられます」。

店名の「Q」からブランドコンセプトも発案。りんごの良さを問い続ける姿勢を...

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