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SDGs時代の新しいパッケージのかたち

企業アイデンティティを伝えるオーガニックペーパーを自社で開発

コスメキッチンをはじめ、オーガニックライフを提案しているマッシュビューティラボは、2015年秋に紙専門商社の竹尾と紙の製造過程で薬品をほとんど使用しないオーガニックペーパー「COSKICHIPAPER(コスキチペーパー)」を共同開発。現在、マッシュホールディングスの名刺やブランドブック、ショップカード、パッケージなどに活用している。

小木さんがプロデュースしたコスメブランド「to/one」のパッケージ。

オーガニック化粧品と同じようにオーガニックペーパーをつくる

紙の名前にもなったのは、同社が運営するコスメキッチン。世界的なオーガニック認証機関から認められた製品のほか、フェアトレードの実践、動物実験の不実施、環境への配慮などにこだわり、世界中のナチュラル&オーガニックコスメなどを取り揃えるコスメショップだ。

紙の開発に取り組んだ背景について、マッシュビューティラボ 取締役副社長の小木充さんは次のように話す。

「一般的に化粧品の開発では、抗菌のための防腐剤や安定性を保つための保存料など化学的な薬品を入れます。もちろんそれらは肌に問題がないものではあるのですが、世界のオーガニック認証においては禁止されていたり、数パーセントのユーザーはこうした薬品に反応し、肌に炎症を起こす方もいらっしゃいます。弊社ではそれらを入れずにミントやローズマリーなどの植物の薬効によって安定性を保つ化粧品を開発しています。こうした商品開発を続ける中で、日々私たちのまわりにある化粧品のパッケージやショップカードなどで使われる紙も、同じようにつくれないだろうかと思ったことがきっかけです」。

その相談を受けたのが、紙の専門商社竹尾だ。しかし、「これまで、製紙業界では薬品を入れずに、パルプだけで紙をつくるという発想は、全くありませんでした。」と、竹尾 企画部部長 青柳晃一さんは振り返る。

竹尾は2013年に東京藝術大学とこれまで全く考えられていなかった、抄紙工程で用いられる化学薬品を使わずに木材のセルロース(繊維)だけで純粋な紙をつくるという実験を行っていた。

「通常、紙をつくるときは、使用する際に必要な印刷適正などの機能を付与するために、さまざまな填料や薬剤など、10種類以上の薬品を使用していますが、ある製紙工場とパルプと水だけでつくってみようと実験してみたんです。その結果、和紙の雰囲気を感じさせる紙らしい紙をつくることに成功しましたが、薬剤を使わないゆえに、表面の強度も弱く、紙の波うちも激しかったため、印刷用紙として使用するのは不可能と思っていました」(青柳さん) …

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SDGs時代の新しいパッケージのかたち

紙ストローの採用、プラスチック製ショッピングバッグやツール類の廃止、名刺をFSC森林認証紙への切り替えるといったニュースを、この1年くらいの間によく耳にするようになりました。多くの企業がSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)で設けられた各ゴールに向けて取り組むようになり、さまざまな施策が始まっています。その中で「脱プラスチック」「フードロス」「リサイクル」「リユース」といった点から、素材を切り替える、リサイクル・リユースしやすいかたちにするなど考えていかなくてはいけないのがパッケージです。

ブランドや商品の顔であり、人々が手にするきっかけをつくるものでもあるパッケージ。こうした流れの中で、エコな素材とデザインのバランスをどう考えていくべきか。また、いま日本の企業はどのような考えで、どこまで進めているのか。本特集では、現段階でこうした取り組みを進めるブランドや企業に話を聞きました。

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