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地球環境と向き合うサステナブルなデザインの理想形

「削減量」から「削減率」へ生活者視点のサービスデザイン

Earth hacks「デカボスコア」

博報堂の新規事業開発組織「ミライの事業室」と三井物産は、2023年5月に新会社 Earth hacks を立ち上げた。主な事業は、商品やサービスの排出CO2相当量の“ 削減率”を可視化した認証制度「デカボスコア」。すでに70社120アイテム以上が導入している。なぜ、削減率に着目したのか。ヒントは「生活者」にあるようだ。

「デカボスコア」のマーク例。誰にでもわかりやすいよう、CO2の削減量ではなく削減率を明記しているのが特徴。

「デカボスコア」とは何か?

「デカボ」とは、脱炭素化を意味する「Decarbonization」に由来する。「デカボスコア」は、従来の素材や手法でつくられた商品・サービスのCO2排出量と比較して、対象の商品・サービスがどのくらいCO2の排出量を削減できているか、その「削減率」を可視化したものだ。排出量とその削減率は、スウェーデンのテック企業Doconomy社が開発した、製造過程のCO2排出量を計算できるツール「The 2030 Calculator」などを使用している。

すでにトヨタ自動車や日本航空、味の素、ヤフーなど70社以上が導入しており、算出した「スコア」は商品パッケージや店頭POP、広告、ECサイトなどに記載できる。利用料は年間50万円から(実施内容により変動あり)。たとえば味の素は、同社のフードロス削減の実践喚起を目的とした専用サイト「TOO GOOD TO WASTE ~捨てたもんじゃない!~」上で紹介している40の“フードロス削減レシピ”に「デカボスコア」を導入している。

Earth hacks代表取締役社長/CEO 関根澄人さんは、大学で細胞学を研究しながら生物多様性や地球温暖化の問題に取り組んできた。卒業後は博報堂で営業として企業のブランディングに携わり、その後三井物産に出向。新規事業開発の部署で「生活者が主体的に脱炭素化のためのアクションを起こす」ための事業を展開するEarthhacksを立ち上げた。「総合商社と総合広告会社は、共に海外には類のない日本独自の業態。三井物産を通じて世界中のソリューションを集め、博報堂のクリエイティビティで広めていくことで、日本の商環境に適したやり方で、インパクトのある脱炭素化のためのアプローチができると考えました」(関根さん)。

味の素は、フードロス削減の実践喚起を目的とした同社の「TOO GOOD TO WASTE ~捨てたもんじゃない!~」上で紹介している40の“フードロス削減レシピ”に「デカボスコア」を導入。

日本の生活者に適した コミュニケーションデザイン

「デカボスコア」は、導入された商品やサービスを選択・購入する消費者にとって、「脱炭素化…

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地球環境と向き合うサステナブルなデザインの理想形

2015年に国連でSDGsが採択され、持続可能な開発のための17の国際目標が定められ8年が経過しました。目標達成のターゲットとなる2030年まで折り返し地点を過ぎたところですが、この間、世界的なESG投資の広がり、脱炭素社会への移行、カーボンオフセットの実現など、サステナビリティ経営の流れが一気に加速しています。その結果、地球環境の問題に関わる企業のブランドコミュニケーションにもサステナビリティの視点が求められるように。今やクリエイターにとっても、サステナブルなデザインの提案は特別なことではなく、スタンダードなものとなりつつある今。その理想のあり方、またクリエイターが果たすべき役割について考えていきます。

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