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地球環境と向き合うサステナブルなデザインの理想形

グラフィックデザイナーはサステナビリティのために何ができるか

大丸有エリアマネジメント協会「Ligaretta」

2023年1月に誕生したアップサイクルブランド「Ligaretta(リガレッタ)」。街中で掲出されたフラッグや素材を再利用したファッションアイテムを展開している。立ち上げ当時から携わっているのは、ペーパーパレードの守田篤史さん。グラフィックデザイナーの視点から、どんなアプローチをしているのだろうか。

「Ligaretta」や「屋外広告プロジェクト」のアップサイクルの仕組み。不要になった広告物などに「シークレット地紋」をオーバープリントし、ファッショングッズなどの素材として再利用する。

街の物語を繋げる、アップサイクル

「Ligaretta(リガレッタ)」では、通常なら捨てられてしまう、街中のフラッグなどのエリアマネジメント広告やイベントに使われた素材を、コートやスカート、トートバッグ、ネクタイなどにアップサイクル。廃棄される素材をそのまま使うのではなく、その権利や知的財産権の壁を克服するために、元の素材に「シークレット地紋」をオーバープリントして使用している。

展開しているのは、大手町・丸の内・有楽町エリアの街づくりを進める大丸有エリアマネジメント協会(通称「リガーレ」)。リガーレではエリアマネジメント広告の掲出手続きを担っており、2020年頃から、掲出後に廃棄されている広告の有効活用方法がないか探っていた。そこでサステナビリティを推進する多数のプロジェクトに携わってきた、デザインファームのペーパーパレードが企画に入り、ファッションデザイナーのササキハルキさんも専門家として参加。ペーパーパレードとササキさんで「PP+H」というユニットを組んだ。

2021年、大丸有エリアのフラッグを、ポーチやレジャーシートなどにアップサイクルし、イベントのノベルティとして提供開始した。好評だったことから、街というコミュニティを起点としたハイブランドを目指して、23年1月にブランドを設立。8月に第一弾のアイテムを発売した。「掲出されていたフラッグなどを『街の物語がしみ込んだ素材』とし、その素材を再び街へと還元させて、物語を繋げていくことを意識しています。また製造過程のサステナビリティにもこだわりました。たとえば服のパターンは通常20~30%が端材になってしまいますが、10%以下に抑えています。国内の職人の方たちに必要数のみを依頼し、余剰在庫をつくらないことも心がけています」(守田さん)。今後は販売した物のお直し会の開催も検討しているという。

アップサイクルブランド「Ligaretta」。

「皆で」「できることから」の意識が大切

リガーレ…

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地球環境と向き合うサステナブルなデザインの理想形

2015年に国連でSDGsが採択され、持続可能な開発のための17の国際目標が定められ8年が経過しました。目標達成のターゲットとなる2030年まで折り返し地点を過ぎたところですが、この間、世界的なESG投資の広がり、脱炭素社会への移行、カーボンオフセットの実現など、サステナビリティ経営の流れが一気に加速しています。その結果、地球環境の問題に関わる企業のブランドコミュニケーションにもサステナビリティの視点が求められるように。今やクリエイターにとっても、サステナブルなデザインの提案は特別なことではなく、スタンダードなものとなりつつある今。その理想のあり方、またクリエイターが果たすべき役割について考えていきます。

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