6月13日、日本最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」の表彰式が開催された。そこで最優秀楽曲賞及び最優秀ミュージックビデオ作品賞を受賞したのが、サカナクションの『怪獣』だ。ミュージックビデオを手がけているのは、映像ディレクターの田中裕介さん。約15年にわたる両者の協業を振り返ってもらった。
サカナクションとの出会い
田中裕介さんがサカナクションのミュージックビデオ(MV)を手がけるようになったのは、『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(2011年)から。本作にはボーカル・ギターの山口一郎さんとその姿を模した4人の人形が登場。主観と客観が入り交じるようにねじれていく世界が描かれている。
サカナクションとの仕事は、当時バンドのスタイリストでもあり、『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』を含めMVのクリエイティブディレクターを務めていた北澤"momo"寿志さんから紹介を受けたことがきっかけだった。「山口さんが、僕が以前つくったAPOGEEのMV『1,2,3』(2009年)を見て"この人なら大丈夫だ"と感じてくれたそうで。『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』で初めて一緒に仕事をしました」。
田中さんはそもそも、CM制作会社でキャリアをスタート。その後MV制作の場に軸足を移し、多数の作品を手がけてきた。中でも最初に仕事として制作したのが、2005年に公開されたSOUL'd OUTの『イルカ』のMVだ。美大での経験を活かし、写真を撮影しAfter Effectsで動かす手法を導入。コラージュの手法を用いて、平面と立体とを行き来するような斬新な表現を打ち出し話題となった...


