直感的な自分の「反応」から“その時だけ”の表現が生まれる

公開日:2026年6月30日

  • 寄藤文平 (文平銀座)

尾崎世界観さんの書籍の装丁やクリープハイプのアルバムのデザインを10年以上手がけてきた寄藤文平さん。その過程で大切にしているのは尾崎さんの作品に対峙した際の自身の「反応」だと話す。これまでの両者の共創について話を聞いた。

寄藤文平さんが手がけた、尾崎世界観さんの書籍の装丁の数々。(左上から)『祐介』(文藝春秋、2016年)、『母影』(新潮社、2021年)、『私語と』(河出書房新社、2022年)、『転の声』(文藝春秋、2024年)。

10年以上続く関係の起点

尾崎世界観さんは、2012年にデビューした4人組ロックバンド「クリープハイプ」のフロントマンとして作詞・作曲を手がけ、近年は小説家としても高い評価を得るなど、多様な表現活動を展開している。その書籍の装丁やアルバムのジャケットなどのデザインを寄藤文平さんが手がけるようになったきっかけは、詩人の谷郁雄さんが詩を書き、尾崎さんが写真を担当した写真詩集『バンドは旅するその先へ』(雷鳥社、2015年)だった。

「僕は谷さんの詩集の装丁を以前から担当していて、その縁で『バンドは旅するその先へ』もご一緒することになりました。そこから尾崎さんの他の本やクリープハイプのアルバムのジャケットなども担当することになっていきました」。

当初は、本当に自身が担当すべきなのか、ある種の葛藤もあったという。「クリープハイプのそれまでのビジュアルのディレクションが、すごくいいと思っていたんです。だから僕が担当して、より良くなるという確信が持てませんでした。あいまいにするのも嫌だったので『僕が自分の考えに従ってデザインしたとき、みなさんが目指すものと...

この先の内容は...

ブレーン』 定期購読者限定です

ログインすると、定期購読しているメディアの

すべての記事が読み放題となります。

購読

1誌

あたり 約

3,000

記事が読み放題!

この記事をシェア

この記事が含まれる特集

音楽から映像、体験へデザインで広がるアーティストの世界観

今回は音楽シーンで活躍するアーティストたちのデザイン、アートディレクションなどに関わるクリエイターとそのプロジェクトにフォーカス。楽曲のパッケージやアートワーク、ミュージックビデオ(MV)、ライブ演出、グッズ展開など、あらゆる接点でアーティストの一貫した「世界観」や「物語」を強固なものにするデザインの力とは。これらを通じて新たな「体験」へと昇華させる、アーティストとクリエイターの共創の舞台裏に迫ります。

MEET US ON