アーティストの物語をリアルな世界に昇華させるデザインの力

公開日:2026年6月30日

  • DMYM(Doumae Yumi)/No.734 (OTOIRO)

2017年に結成され、以降一切顔を出さずに活動するヨルシカ。その徹底された世界観は、いかにしてファンの元に届けられているのか。コンポーザー・n-bunaが紡ぐ壮大な物語を、リアルな世界で体験できるようにデザインに落とし込むアートディレクターDMYM/No.734さんとの共創の舞台裏を紐解く。

2026年に発売された“書簡型小説”『二人称』。32通の往復書簡をそのまま再現して販売した。

インターネットから始まった共創の軌跡

ボカロPとしても絶大な人気を誇ったコンポーザー/ギターの(n-buna)ナブナと、透明感のある歌声が魅力のボーカルsuisスイによる男女2人組のロックバンド、ヨルシカ。2017年に結成、19年にメジャーデビューをして以降、顔を公開せずに活動してきた。その作品は、文学的かつ緻密に構築された独自のストーリー性を持ち、ファンを魅了し続けている。そんなヨルシカのCDや映像作品においてパッケージのアートディレクションを数多く手がけているのが、OTOIROのアートディレクターDMYM/No.734さんだ。

n-bunaさんとDMYMさんの出会いは、バンド結成よりも前の2012年頃まで遡る。「元々、n-bunaくんがボーカロイドの音楽をやっていて、私も同じカルチャーの中でインディーズとして絵やデザイン、映像制作をしていました。お互いにネット上で作品を知り、『夜明けと蛍』という楽曲の絵を描いたのが初めての共同制作でした。その後、n-bunaくんの個人名義のアルバム『花と水飴、最終電車』を制作する際にパッケージデザインを頼まれたのがデザインとしては最初の縁です。当時はお互いまだ学生でした」。

その後、DMYMさんはデザイン会社で経験を積み、2019年の...

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音楽から映像、体験へデザインで広がるアーティストの世界観

今回は音楽シーンで活躍するアーティストたちのデザイン、アートディレクションなどに関わるクリエイターとそのプロジェクトにフォーカス。楽曲のパッケージやアートワーク、ミュージックビデオ(MV)、ライブ演出、グッズ展開など、あらゆる接点でアーティストの一貫した「世界観」や「物語」を強固なものにするデザインの力とは。これらを通じて新たな「体験」へと昇華させる、アーティストとクリエイターの共創の舞台裏に迫ります。

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