2023年、2024年と2年連続の観測史上最も暑い夏となった。2025年も歴史的に早い梅雨明けで猛暑に突入。暑さ対策の商品の販売が伸びるなど、猛暑は消費財の販売に大きな影響を与えている。そんな状況のなかで、どんな商品が夏場に新しく売れるようになったのだろうか。インテージ 市場アナリストの木地利光氏が解説する。
夏に伸びたコロナ関連消費1位のマスクは472%伸長
猛暑日が続くなか、天候に影響されて売れる商品は変わっているのでしょうか。近年の夏の売れ筋商品を見てみると、猛暑だけではなく新型コロナによる生活様式の変化も夏の消費行動を変えていることが分かりました。
全国のスーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、約6000店舗の販売動向を追っている「インテージSRI+」のデータをもとに、猛暑で売れた商品を見ていきたいと思います。ここでは、コロナ前の2019年から2024年にかけて、年間よりも夏(6~8月)に販売金額が大きく伸びたものをランキング化しました。
1位のマスクは、夏の販売金額がコロナ前より472%も伸長しました。年間と比べて300ポイント近くも大きく伸びています。2019年までは風邪・インフルエンザが流行する冬と花粉の飛散量が多い春にマスクの需要が集中していましたが、コロナが需要を劇的に変えました。2020年にコロナの感...