暑さと「戦う」のみならず「共存する」USJが挑む猛暑時代のテーマパーク設計

公開日:2025年8月06日

  • 札立幸一氏(ユー・エス・ジェイ)

猛暑が常態化するなか、「外で遊ぶ」ことそのものが敬遠されがちになっている。そんな時代に、テーマパークはどう“夏”を設計しているのか。ユー・エス・ジェイが展開するユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、暑さを逆手に取った演出と空間づくりで、来場体験そのものをアップデートしている。夏の熱中症対策とテーマパークらしい空間づくりの両立について、ユー・エス・ジェイCorporate Communication部/CCOの札立幸一氏に話を聞いた。

昼と夜で別のターゲットを狙い1日のなかでテーマをチェンジ

かつては「水分補給を忘れずに」といった注意喚起で済んでいた夏の暑さが、今では企業の体験設計そのものを左右する要素になっている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では、気温上昇にともなう熱中症リスクへの対応を、単なる安全対策にとどめず、来場体験の“魅力”へと転換しているのが特徴だ。

その象徴が、2025年7月1日から8月31日まで開催されるサマー・イベント「NO LIMIT!クール・サマー」だ。日中は家族連れが中心のファミリー層、夜間は若年女性グループなどを意識し、昼と夜で異なるテーマの演出を展開。昼にはウォーターシューターや大型ミストファンで全身びしょ濡れになれる「NO LIMIT!サマー・スプラッシュ・パレード」、夜には音楽とダンスが融合した「NO LIMIT!サマーダンスナイトwith HYBE JAPAN」が実施されている。

ユー・エス・ジェイ...

この先の内容は...

宣伝会議』 定期購読者限定です

ログインすると、定期購読しているメディアの

すべての記事が読み放題となります。

購読

1誌

あたり 約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる特集

異常気象でどう変わる!?商品企画とマーケティング

「猛暑日」が当たり前になりつつある日本。異常気象は私たちの暮らしだけでなく、企業の商品開発やマーケティング戦略にも大きな影響を及ぼしています。本特集では、気候変動によって変わる消費者ニーズや購買行動の変化を整理するとともに、先進企業の取り組みや新しい市場創造のヒントを探ります。さらに、暑さに対応する商品設計、流通、プロモーションの工夫など、持続可能で実効性の高いビジネスのあり方を多角的に紹介していきます。