生成AIの進化はクリエイティブの効率化にとどまらず、世界のエージェンシービジネスの構造や収益モデルを根底から変え始めている。マッキャンエリクソン ジャパン元CEOとして日米の業界を知るThree Plus Six 代表の森浩昭氏に、グローバルの最新潮流と、AI時代に日本の広告会社が進むべき生き残り戦略を聞いた。
グローバルで進む構造変化と新たな収益モデルへの模索
ーグローバルの広告・エージェンシービジネスにおいて今起きている最も大きな変化は何だと思いますか。
私自身、長年グローバルエージェンシーの経営や現場に携わる中で、数々のテクノロジーによる構造変化を経験してきました。フィルムからデジタルへの移行や各種プラットフォームの登場など、これまでも波はありましたが、今回のAIの波が過去と大きく異なるのは、単に「表現の手法が広がる」という制作上のイノベーションにとどまらず、エージェンシーの「サービス提供のあり方や収益モデル」そのものに深く関わっている点です。
欧米では、機能分化された業務プロセスにAIを組み込み、効率化を進める動きが広がっています。
一方で企業のインハウス化も着実に進んでおり、全米広告主協会の調査等でも多くの企業が自社内での運用体制を整えつつあります。従来の単なるメディア仲介や定型的な制作業務だけでは、十分な価値を...

