2023年の開業以来、野球界のみならず日本のエリア開発における「非連続な進化」の象徴となっている「北海道ボールパークFビレッジ(以下、Fビレッジ)」。開業から4年、従来の球場ビジネスの枠組みを根底から覆し、365日人が集う「街」としての価値を確立しつつある。同プロジェクトを推進してきた伊藤直也氏に、スポーツを起点とした新しい産業構造のあり方について聞いた。
「興行」を「日常」に変える球場ビジネス、発想の転換
Fビレッジは2023年の開業以来、初年度から年間来場者数346万人という目標を大きく上回る数字を達成し、2025年には約450万人超を記録しています。
Fビレッジの構想は、スポーツが持つ「人を動かす力」を一時的な感動にとどめず、日常的な交流や消費が生まれる「街」を創るという、極めて大きな発想の転換点からスタートしています。試合がない日でもゲートを開放し、誰もが自由に滞在できる「開かれたボールパーク」を目指したのです。
日本における球場ビジネスは、年間70試合ほどの試合日にどれだけ人を集めるかという、一過性の興行産業でした。しかし、人口減少や地域経済の停滞といった社会課題が加速する中で、私たちはスポーツを「目的」ではなく、あらゆる価値創造の「起点」と捉え直したのです。
開業から4年を迎えた今、「北海道に行ったら一度は寄ってみよう」「野球は見ないけれど、エスコンフィールドには行ってみたい」という声が増え...

