猛暑は“外出控え”ひいては“旅行控え”を加速させかねないなか、東日本旅客鉄道(JR東日本)では2025年、ウェザーニューズとコラボし「気温」を旅の起点にした新たなプロモーション「避暑旅」を始動した。「避暑」という考え方を、2024年の実際の気温データとともに展開することで、夏の旅行先に関する提案につなげている。猛暑における人々への旅行の訴求について、東日本旅客鉄道マーケティング本部の柴田信幸氏に話を聞いた。
ここ数年の猛暑が生んだ人々が「旅をためらう夏」
かつて夏は「旅行のハイシーズン」として、多くの人々が全国各地の観光地へ足を運んでいた。だが近年、40℃近い気温が当たり前となった日本の夏においては、「暑さが不安で旅行を控えたい」という声が目立つようになっている。
実際、旅行先での熱中症リスクや移動中の体調管理などへの不安が、旅そのもののハードルを高めつつある。このような社会的変化を受け、これまでと同様の旅行訴求では消費者に届きにくくなっている。JR東日本では、暑さのせいで旅...