AIエージェントが検索や比較、決済までを代行する「Agentic Commerce」の時代が到来しつつあります。商品が選ばれるまでの「わずか30秒」のあいだに、AIは自社サイトだけでなく第三者のレビューや記事など膨大な情報を参照します。そうした状況のなか、自社の意図通りに選ばれるための新たなデータ管理と企業発信のあり方を考えます。
候補が決まる30秒 検索は何度も枝分かれする
ChatGPTに「4人用で8キロ未満、3万円以下。Amazonで明日届くテント」と頼む。しばらく待つと候補が並び、価格やレビュー、購入先が示される。この待ち時間を、本稿では便宜的に「30秒」と呼ぶ。企業から見れば、この短いあいだに、自社の商品が候補に残るか、どんな理由で薦められるかが決まっている。
日本からでもウェブ検索やShopping Researchで国内商品は探せるが、商品カード分析や販売者向けフィードの多くは米国中心に整備されている。検索できることと、販売者として連携できることは別だ。
AI検索の分析会社Profoundは、この挙動を「Product Query Fanout」と名づけた。同社が2026年6月18日から25日に観測した、20万件あまりのプロンプト実行と81万枚あまりの商品カード。その取得元は、ウェブクロールが87.3%、事業者が直接渡すフィードが12.7%だった。最初の応答に出る商品カードは、1回あたり平均で4枚ほど。上限が決まっているわけではないが、一度に見える...

