世界観やイメージが重視され、効果検証が曖昧になりがちだった従来のブランディング施策。資生堂ジャパンの三木なな氏とTikTok for Businessの武井俊一氏は、メイクアップブランド「マキアージュ」における過去2年間のTikTok施策を対象に、MMM(マーケティングミックスモデリング)を用いた実証結果を公開した。
2年間のデータとトレンドを加味しブランディングのROASを紐解く
デジタルマーケティングの進展により各種の広告指標は可視化されやすくなったものの、認知やイメージ向上を目的としたブランディング施策が、実際に店頭のオフライン売上にどれだけ寄与しているかを定量的に証明することは依然として困難な課題であった。本セッションでは、資生堂ジャパンにて「マキアージュ」のインテグレーテッドマーケティングコミュニケーション(IMC)を担当する三木なな氏と、TikTok for Businessの武井俊一氏が登壇。2年間にわたるプロモーション投資データと市場トレンドを加味したMMM分析から、ブラックボックス化しがちだったブランディング施策のROAS(投資対効果)を紐解いた。
ベースメイクとポイントメイクでROIの挙動は全く異なる
月間利用者数が5000万人弱規模へと拡大し、幅広い世代への浸透が進むTikTok。マキアージュでは、2025年のリブランディングや新商品発売のタイミングにおいて、認知獲得から購入検討までを網羅するフルファネル施策を展開してきた。三木氏は、従来のダッシュボードやブランドリフト調査だけでは「施策が果たして店頭のPOSを動かしているのか」を社内へ明確に説明しづらかったと振り返る。しかし、最新の推計モデルによる分析の結果、TikTokへの投資が店頭売上へもたらした影響度が、事前の肌感以上に高い割合として定量的な数値で実証されたという。
さらに分析を進めると、広告メニュー(ソリューション)、クリエイティブ(素材)、製品(商材)の切り口からいくつかの意外な発見が得られたという。
ソリューション面では、認知から購買への橋渡しとして機能するミッドファネル向けの広告メニュー「Brand Consideration」が、顕著に高いROASとCPA(顧客獲得単価)のパフォーマンスを記録し、売上純増への寄与度が大きいことが判明した。
素材面においては、アプリ起動時に全画面・サウンドオンで一気にリーチを広げる「TopView」のようなアッパーファネル向けのソリューションと、ブランド公式素材および第三者であるクリエイター素材の組み合わせにより、ROIに明確な差異が出ることが確認された。
また商材別では、ファンデーションなどの「ベースメイク」と、アイカラーなどの「ポイントメイク」で、経年比較におけるROIの挙動が全く異なる結果を提示した。これにより、投資金額の増額に伴う飽和点の兆候を捉え、今後の最適な予算アロケーションの材料を導き出すことに成功している。
TikTok for Businessの武井氏は、分析を1回で終わらせず高速でPDCAを回すことの重要性を提示。横断的な投資予測の最適化を見据え、今後も伴走していく姿勢を示した。
資生堂ジャパン
ブランドマーケティング本部
アシスタントブランドマネージャー
三木なな氏
TikTok for Business
Global Business Solutions Japan,
FMCG & Retail Industry Manager
武井俊一氏
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