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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

場の特性を活かしたコミュニケーションで生活者がブランドに触れるきっかけをつくる

  • 加我 俊介(電通 コミュニケーションプランナー)

    アンビエント広告のここがポイント!

  • マーケティング・コミュニケーション課題の解決策は、ターゲットとのコンタクトポイントから逆算して考える。
  • その場所に適したコミュニケーションを考え、その先の「どうなってほしいのか」まで考えを膨らませる。
  • 企画実現に向け、メディアやクライアントのハブとなってプロジェクト全体を推進する役割になることが重要。

環境に馴染ませることで生活者に意外性を与える

海外に比べて、日本ではまだ事例がそう多くないアンビエント広告。「アンビエント(ambient)」とは日本語で「環境化された」を意味する言葉で、アンビエント広告とは、その言葉の通り「環境に馴染んでいる広告」のことを指します。

街中に溢れているこれまで広告媒体として認識されていない"場"の機能をそのままメディアとして活用するなどのほか、従来の広告媒体でもあえて日常の環境に溶け込ませることで"意外性"という浸透力をもって生活者にアプローチする広告手法です。

その特性からどうしてもアイデアとメディア開発がセットになるため、企画会議で俎上に上がってもなかなか実現できないことが多いとされるアンビエント広告ですが、アイデア次第では従来の広告よりも低予算で実現でき、かつ普段目にしているモノを広告に一変させることで、生活者に驚きを提供してブランドを強烈にインプットすることができます。

"点"のアプローチがソーシャルメディアや口コミで劇的に拡散する可能性を秘めた今の時代、企業のマーケティング・コミュニケーション活動において、最も費用対効果が期待できる広告手法のひとつと言えるのではないでしょうか。

ゼロベースでコンタクトポイントを考える

企画者によって千差万別だと思いますが、僕はアンビエント広告の企画を考えるときは、「マーケティング・コミュニケーション課題の解決策をターゲットとのコンタクトポイントから逆算して考える」というコンタクトポイント・オリエンテッドなアプローチで発想しています。

僕が携わった2つの事例をベースに解説をすると、例えば「西友・蓮根坂下店の新装開店プロモーション」事例1の場合。スーパーマーケット激戦区に、しかも最寄り駅から徒歩10分・幹線道路からも一本奥まった決して目立つ場所とは言えないロケーションへの新規出店。

事例1 西友・蓮根坂下店の新装開店プロモーション
店舗へと続く住宅や商店などの"壁面"を広告媒体に変えて店舗へのナビゲーションを行った。

このコンディション下で、いかにして、2-3km商圏エリア内の全世帯に西友が新装開店するというニュース・期待感とともにその場所をアナウンスするか。住宅街のため有効な屋外媒体はなく、通常だとチラシやDMという選択肢になってしまいます。しかし、スーパー激戦区ではそれすらも埋没してしまう危険性があります。

そこで、僕らは最寄り駅や幹線道路から店舗へと続く住宅や商店等の"壁面"に着目し、これらを広告媒体に変えて店舗へのナビゲーションを行うという企画を考案しました。しかも、一方通行なクリエイティブ表現ではなく、「これからお世話になります」という気持ちを込めて、その場その場に応じて地域住民に話しかけるスタイルをとることで、親近感をも醸成していくアプローチです。

さらに、従来の広告媒体をアンビエント発想で活用した事例としては …

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テレビCMからソーシャルメディアの投稿まで、消費者との接点が格段に増えたことで、おのずと広告・コンテンツ制作が必要とされる場面も、そのバラエティが広がっています。担当者自らに制作スキルが求められるもの、外部のパートナーのディレクション力が求められるものがありますが、本特集では双方を織り交ぜながら、特にアウトプットの完成度を高める実践的ノウハウ・考え方を解説していきます。

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