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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

ビール酵母のビタミンB1に着目 競合製品が登場しても90年間愛され続ける理由

(左)1930 発売当時の新聞広告。 (右)2020

アサヒグループ食品が販売する、天然素材の乾燥酵母(ビール酵母)から生まれた胃もたれ、消化不良、胃部・腹部膨満感などに効果がある「エビオス錠」は1930年に誕生し、今年で90周年。誕生時、日本では栄養不足が蔓延し、ビタミンB群の不足による脚気のような状態が流行。ビタミンB群が豊富に含まれ、栄養状態をよくするものが求められていた。

そんな中、エビオスブランドの創始者である橋谷義考氏はイギリスの醸造関連の専門誌に書かれていたビール酵母にビタミンB1が多く含まれるという記事に着目。世の中のためになる製品がつくれるのではないかと考え、エビオス錠は誕生した。

90年の歴史の中で、同じくビール酵母を活用した商品が他社から発売された時期もあった。

しかし、エビオス錠が愛され続けてきた理由について、同社マーケティング部ヘルスケアチームを統括する山本直樹氏は「エビオス錠は、現在は指定医薬部外品ですが、もともとは医薬品としてスタートしています。他社のビール酵母を使った製品は、ダイエットブーム時に生まれた健康食品であるものも多く、エビオス錠は医薬品時からの“人々の栄養状態をよくするものを”という思いを受け継いでいるからこそ、効能・品質の面で差別化ができ、一過性のブームで終わることなく、必要としていただけているのだと思います」と話す。

また、同じくマーケティング部でエビオス錠を担当する本松達朗氏は、エビオス錠は非マーケティング的に生まれたブランドであると述べる。

「エビオスは現在のマーケティングという学問の体系が整う前に生まれた製品。マーケティングのフレームワークではなく、橋谷義考さんの『栄養不足で困っている人々を自社のリソースで助けたい』という純粋な思いで誕生したからこそ、長く愛されているのではないでしょうか」とブランドへの考えを語った。

視点01 商品・ラインアップ
新たな客層を惹きつける工夫

エビオス錠はボトル型の商品として1930年に誕生し、継続的に人々に飲まれるようになるにつれ、そのニーズに合わせて大容量のものを拡充していった。発売当初からしばらくは、「kg」「g」といったように重量を明示していたが、わかりやすさを考慮して1958年には、錠数表記に変更。この時に生まれた2000錠が、現在、一番容量の多い製品になっている...

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