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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

発売40年を迎えた「雪の宿」 若年層獲得を目指すブランド戦略とは

せんべいと生クリームの組み合わせから生まれた米菓「雪の宿」は今年で誕生40周年を迎えた。既存のユーザーに加えて、近年では若年層獲得を目指した新たな取り組みをはじめている。

(左)1977(右)2017

絶妙なバランスから生まれる 「甘じょっぱさ」に支持

サラダせんべいの片側だけに北海道産生クリームを使用した砂糖蜜をかけ、マイルドな甘さとせんべいの塩味が絶妙なハーモニーを醸し出すロングセラー商品「雪の宿」。1977年に誕生し、今年で40年目を迎えた。

販売元の三幸製菓は、米菓メーカーとしては他社に比べスタートが遅く、最後発企業として米菓市場に参入した。そのため、通常の米菓をつくるのではなく、ニッチで特徴ある商品を市場に投入し続けていた。その中でたどり着いたのが"甘じょっぱいせんべい"の「雪の宿」だった。当時米菓で蜜掛けした商品は醤油せんべいが中心で、塩味のサラダせんべいを使用した商品は技術的に難しく、他に類を見なかった。

レシピや技術は地元である新潟の老舗ケーキ屋で修業し、せんべいと生クリームという奇抜な組み合わせを美味しく食べる絶妙なバランスを見出した。もちろん、せんべいの製法にもこだわり、強い火力で焼き上げることでサクッとした口どけのよい食感を実現。そのおいしさから、50~60代の層を中心に、若年層にも支持者を広げていった。しかし、発売当初は「雪の宿」という品名から「冬のお菓子」という印象を持たれ、夏になると売場から外されていたこともあったという。

「固定概念を覆したかったのですが、テレビCMの投入はできなかったため、当時の営業は商品サンプルひとつで根気強く説得して回ったそうです。それが結果的には今の市場認知率につながっています」(三幸製菓 営業本部 秦野勝義氏)。

40年間も愛され続けるロングセラーブランドになった理由を秦野氏は、「甘味と塩味のバランスが連食性のある食べごたえを生み出していると考えます。また、せんべいの柔らかさ、蜜の量など、日々品質を確認し、時代に合わせて調整を行っています」と話す。

現在では、オリジナル商品に加え、パッケージコラボや季節に合わせたフレーバーの展開もしている。「消費者の方の嗜好が日々変化する中で、やはりお客さまが今食べてみたいと思えるものに変えていかなければならないと考えます。そのための戦略を進めています」(秦野氏)。

「雪の宿」は、家族団欒の場にいつもある「3世代で消費されるブランド」を目指し、挑戦を続けていく。

視点01 商品開発
消費者の嗜好に合わせ変化を続ける

工場にある巨大な焼釡の強い火力でサクッと口どけの良い食感に焼いたサラダせんべいの片面に、北海道産生クリームと濃厚味ミルククリームのWクリームのマイルドな砂糖蜜をかけた。片面のみに砂糖蜜をかけることにより、下地の塩味が甘さをさらに引き立てた。

1977年の発売時から1995年まではサラダ味に加え ...

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