キャラクターシールによって子どもたちの心をつかんできたビックリマンチョコ「悪魔VS天使シリーズ」。30年の歩みを支えたのは、お菓子という枠を超える「ビックリ」な発想だった。

左 1985年発売当初のパッケージ 右 2014年現在のパッケージ
ピンチを救った「悪魔VS天使」
ロッテの「ビックリマンチョコ」と言えば、スーパーゼウスやヘッドロココなど、キャラクターシールの収集に燃えた子ども時代を懐かしく思い出す人もいるだろう。1985年に発売され、子どもたちの間で一世を風靡する大ブームを巻き起こしたビックリマンチョコ「悪魔VS天使シリーズ」は2014年に30周年を迎えた。ビックリマンチョコが発売されたのは1977年。当初はお札が落ちているように見えるドッキリシールなど、いたずらやギャグなどの貼って楽しめるシールを封入していた。だが、次第に売上は低迷。ついには販売継続の危機に陥る。
悪魔VS天使シリーズは、起死回生の切り札として開発された。キャラクターはビックリマンプロジェクトで開発。じゃんけんのような力関係を意味する「三すくみ」のルールの下、1つの通し番号に天使・悪魔・お守りの3つの属性を設けた。シール裏面にはキャラクターやストーリーに関する文章が書かれており、同じマークの3枚を集めると、1つのストーリーが完成する仕組み。シールは複数の素材を使い分け、優劣を演出して子どもたちの収集熱を高めた。
悪魔VS天使シリーズのように、シールにストーリー性を持たせて世界観を醸成するという発想は、当時は …