猛暑日が当たり前となった日本の夏。食卓の風景も大きく変わり、企業には新たな対応が求められている。この変化を捉え、「冷やし茶漬け」や「冷やして食べるカレー」を開発したのが良品計画だ。同社の理念「感じ良い暮らしと社会」は、この時代の課題にどう向き合うのか。そのユニークな商品開発とマーケティング戦略について、良品計画食品部の3名に話を聞いた。
食欲減退の夏に火を使わない「冷やし」シリーズが好調
年々厳しさを増す猛暑は、食欲減退や火を使う調理への抵抗感など、消費者の食生活にも大きな影響を与えている。良品計画が展開する無印良品では2022年から、「冷やして食べる」をコンセプトにした食品シリーズを展開。2025年4月にはフリーズドライの「冷やし茶漬け」や、世界の料理を冷たいまま楽しめる「ごはんにかける冷やし」シリーズを投入し、好評を博している。
同社食品部でカレーなどの開発を担当する木島有美氏は、猛暑における需要の高まりを次のように語る。
「2024年も展開した『冷やして食べるカレー』は、記録的な暑さの2025年も販売が好調です。暑いなかでも快...