アサヒビールが「宣伝」を拡張 一気通貫のコミュニケーションデザイン

公開日:2026年5月29日

  • 中島健氏(アサヒビール)

アサヒビールは2024年4月、宣伝部とデジタルマーケティング部を統合し「コミュニケーションデザイン部」を新設した。目的は、マスメディアによる認知から、デジタルを介したトライアル、そしてCRMによるファン化までを分断なく設計する「一気通貫のマーケティング」の実現だ。さらに2026年4月には「リテールマーケティング部」を新設し、消費者の購買接点における施策強化も進めている。コミュニケーションデザイン部を統括する中島健氏に、組織再編の狙いと未来の展望を聞いた。

組織の壁を壊し顧客体験を「一気通貫」にする

―2024年4月の「コミュニケーションデザイン部」新設から約2年が経過しました。改めて統合の背景を教えてください。

以前は、宣伝部が新規ユーザー獲得を目的とした情報発信活動を担い、デジタルマーケティング部がユーザーと長期的な関係構築を目指すCRM活動を担う、という役割分担がなされていました。しかし、メディア環境は激変しています。若年層のテレビ離れが叫ばれる一方で、SNSやCTVなど顧客のタッチポイントは多様化しました。こうした環境下で、認知・トライアルの担当と、リピート・ファン化の担当が別々に活動していては、お客さまにとって一貫性のあるブランド体験を提供することが難しい。そこで、組織をまとめ、同じチーム内に各担当を置く体制へと移行したのです。

現在は...

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マーコム組織の機能と役割・最新戦略

広告だけでは生活者を動かせない時代、企業の宣伝部門には「広告」を主軸としたマーケティング・コミュニケーションから、拡張する役割が求められています。SNSや口コミ、PR、オウンドメディアなど、いわゆるトリプルメディアを横断して生活者との接点を設計する「コミュニケーションデザイン」の中核として、宣伝部はどのように進化しつつあるのでしょうか。本特集では、企業の宣伝部長を対象にアンケート調査を実施し、組織の役割の変化、担う業務領域の拡張、社内での位置付けの変化など、その実態を明らかにします。加えて、生成AIをはじめとするAI技術の導入が、広告制作、メディア運用、生活者理解、クリエイティブ開発といった宣伝・広告の現場にどのような影響を与えているのかについても調査。現場の実務責任者の声を通じて、広告中心の宣伝部から統合的なコミュニケーション設計を担う組織へと変化する企業コミュニケーションの現在地と、その先の方向性を探ります。

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