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現代における「顧客理解」方法と実践

ゴキブリ殺虫剤市場に新カテゴリー くん煙剤離脱層の悩みを理解し100万個突破

  • 伊藤圭亮氏(大日本除虫菊)

KINCHOが2020年2月に発売した「ゴキブリムエンダー」は、それ以前のゴキブリ殺虫剤市場には存在しなかった、新たなカテゴリーの製品。同社は、顧客をどのように理解し、新たな市場を開拓したのか。マーケティング部の伊藤圭亮氏に聞いた。

ゴキブリムエンダー 40プッシュ(画像左)と80プッシュ(画像右)。

医薬部外品の判断基準がない!?着想から15年かけて製品化

KINCHOブランドで知られる大日本除虫菊(以下、KINCHO)が2020年2月に発売した「ゴキブリムエンダー」は、空間噴射式のゴキブリ駆除剤。定量噴射のスプレーを、広さに合わせた回数対象空間にプッシュすると、殺虫成分を含んだ細かな粒子が空間全体にいきわたり、部屋中のゴキブリを駆除することができる。

空間噴射式のゴキブリ駆除剤はゴキブリムエンダー以前には存在しておらず、新たなカテゴリーを創造した製品となる。前例のない製品であるため、医薬部外品の許可を受けるにも判断基準が存在せず、多くの時間をかけテストを実施。そのため、着想から15年以上を経て製品は完成したという。

KINCHOが多くの時間と労力を費やし、新たなカテゴリーを開拓した背景には、ゴキブリ殺虫剤市場の変動があった。

「ゴキブリ殺虫剤の中で最も大きな市場を築いていたのは、煙によってゴキブリを一斉に駆除する“くん煙剤”。20年前は200億円近い市場規模がありました」とマーケティング部の伊藤圭亮氏は話す。しかし、くん煙剤には、「食器や家電にカバーをする必要がある」「使用中は部屋を出なくてはならない」といった手間や、安全性の面で課題があり、市場は縮小傾向にあった。

代わりに主流となったのが、毒餌をしかけるベイト剤や殺虫スプレー。市場規模で逆転はしたものの、「部屋中まるごと」という効果はないため、かつてのくん煙剤市場の...

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これまでリアルな場を使って実施できていた消費者調査。しかし、コロナ禍のいま、消費者に直接アプローチすることは難しくなっています。消費者の気持ちや行動にも、大きな変化が生まれている現在、このような環境下でいかにして、顧客理解を深めていけばいいのか。企業の新たな試みや、各分野におけるトップランナーの考えを聞きながら、現代の環境における顧客理解の基本から応用までを考えていきます。

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