「違和感」の先に突破口がある ナラティブが解き明かす顧客の無意識

公開日:2026年2月02日

  • 米田恵美子氏(インサイト・ピークス)

デジタル化により効率的なデータ分析が可能となったが、AIが得意とするのは「常識」の蓄積であり集約である。市場を動かす突破口は、「AIが得意とする常識」から「ちょっと外れる違和感」や「個のストーリー文脈」の中に隠れている。P&Gで数々のヒットを生んできた米田氏が、AI的常識と人間的ナラティブを使いこなす極意を解説する。

AIが苦手な「個」の文脈と異常値だからこその価値

―近年「ナラティブ(物語・文脈)」に注目が集まっている背景をどのようにお考えですか。

私は、リサーチや分析にはどんどんAIを活用していくべきだと考えています。AIを最大活用するためには、それぞれのAIにプログラミングされている得意・不得意を理解することが重要だと思います。今の時点では、多くのAIは膨大なデータから「論理的正解」を導き出したり、大多数の人々に当てはまる「平均的ペルソナ」をつくり上げたりするのが非常に得意です。

それに対して、私の経験として、マーケティングにおける突破口やイノベーション生むヒントは、今の常識を少し外れる・覆すような行動や考え方の中に隠れていると思っています。例えば、誰もが靴を履くのが当たり前の社会で、あえて裸足で歩いている人がいたら、「なぜ裸足なのか?」という背景にある価値観や文脈を深掘りします。新しいライフスタイルや価値観が見つかるかもし...

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AI時代の「顧客理解」マーケターが今、知るべき視点・手法

顧客接点がデジタルシフトしたことで、マーケターはかつてないほど多くのデータを入手することができるようになりました。一方で、「データはあるのに、その先にある生活者の実像が見えにくい」という課題を抱える場面も少なくありません。本特集では、データドリブンが加速するAI時代において、いかにしてデータの先にある人の感情や動機、さらには背景となる文脈を捉えることができるのか、その方法論を探ります。KPIの再定義や分析デザイン、行動経済学による非合理性の解明から、ナラティブ、ペルソナ設計、共創の実践までを網羅。テクノロジーと人間理解を対立させるのではなく、統合的に活用し顧客理解の解像度を高める思考法を、第一線の知見から解明していきます。

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