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新しい「メディアの教科書」

『BRUTUS』編集長が考える「ラジオ」の魅力とは

  • 西田善太氏(マガジンハウス)

目や手はスマートフォンを見ることで忙しい現代における、最後の聖地は"耳"。そう話すのは『BRUTUS』編集長の西田善太氏。ACC賞ラジオCM部門の審査委員も務める西田氏の考える「ラジオ」の魅力や価値を聞いた。

マガジンハウス BRUTUS編集長 西田善太氏
1963年生まれ。早稲田大学卒業後、87年より博報堂第四制作室にてコピーライター。91年より編集者としてマガジンハウス入社、BRUTUS、GINZA、Casa BRUTUS編集部を経て、2007年よりBRUTUS編集長。現在は第四編集局 局長として、BRUTUS、Tarzanの発行人を兼務する。

1対1の関係が構築できる 人を没頭させる「ラジオ」

「ラジオは企画を形にするスピードが速いうえに、低コストで人を没頭させるコンテンツをつくれるメディアだと思っています」。

『BRUTUS』編集長の西田善太氏は、ラジオ好きでも知られ、総務省のデジタルラジオ導入における審議会委員やACC賞のラジオCM部門の審査委員も務めてきた。西田氏はラジオの魅力を次のように述べる。

「テレビと違い、うまくいけば少人数の制作陣、かつ低コストで番組と聴取者の"1対1"の関係を築くことができます。少し先の興味をすぐつかまえる身軽さと、時間を忘れて人を没入させるポテンシャルを持つコンテンツ形式はラジオの他にありません。例えば、パーソナリティーの言葉や気持ちに共感すると、繋がりを感じて嬉しくなりますよね。『自分はこの人の気持ちがわかっている!』という一人ひとりの共感が、実は放送されているエリア全部に広がっていく。それがラジオの魅力です」。

さらに西田氏は「ラジオは"時間モデル"のメディア」と評す。音声ゆえに、テレビのように早飛ばしも雑誌のようにパラ読みもできない。1時間ならその時間だけ耳を傾けてこそ、楽しめる。「スピード、効率重視の今の時代からはぐれがちだけれど、だからこそ、聴いた人は得をする」。

ヒントは長年、ラジオを大切にしてきた故・永六輔さんの言葉だ。「昔、永さんが『テレビに出ると"観たよ"としか言われないが、ラジオに出ると"聴いたよ"と言ってもらえる …

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新しい「メディアの教科書」

かつて広告実務の教科書では、テレビは「認知」媒体、新聞は「理解」を促進し、「雑誌」や「ラジオ」は「絆」を深めることに秀でているといった、各マスメディアの広告メディアとしての特性解説がなされていました。

インターネット、SNSが登場したいまの環境においても、それぞれのマスメディアが持つ機能や役割は変わらないのでしょうか。インターネットがマスメディアの役割を代替するといった悲観論ではなく、インターネットが浸透したからこそ、生まれる既存メディアの新しい機能や役割があるのではないでしょうか。今号では、「新しいメディアの教科書」をテーマに、現在の環境における「主要メディアの役割」を各界の有識者が再定義。さらに広告実務の現場で、いま「メディア」というものがどのように理解され、活用されているのか、事例も交えながら解説していきます。

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