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機能を超える、価値をつくる!コモディティ時代の商品開発

「足し算」は、煩雑さを生む 「引き算」の商品開発がヒットをつくる

  • 岩崎邦彦氏(静岡県立大学)

何か機能を足すことが良しとされてきた中、現在、機能を絞ったシンプルと呼ばれる商品が売れている潮流がある。引き算が価値を生み出すようになっている背景について、『引き算する勇気:会社を強くする逆転発想』の著者である岩崎邦彦氏が解説する。

シンプルは、パワフルを生み出す

「良い商品がいろいろあるのに、成果が出ない」「多くの機能がついているのに、売れない」。経営の現場で、このような言葉を聞くことが多くあります。実は逆で、「いろいろあるから」「機能が多いから」売れないのかもしれません。

突然ですが、「日の丸」を頭に思い浮かべてみましょう。赤の面積は、全体の何%だと思いますか?全国1000人の消費者に聞いたところ、もっとも多くの人があげた数字は30%です。40%と答えた人も2割弱、50%と答えた人も1割いました(岩崎、2015)。

実際は、赤の面積はわずか18.8%。なんと全体の9割近くの人が、実際よりも大きな数字をイメージしています。日本の国旗は世界一シンプル。白地に赤い丸がひとつ。究極の「引き算」です。日の丸は、「引き算が力になる」ことを教えてくれます。

時代は、「量」から「質」へ、「機能」から「感性」へ動いているにも関わらず、いまだに企業の多くは、何かを足し算することで価値を生み出そうとしています。

たとえば、日本の家電業界。はじめに「技術ありき」で、新商品の開発競争、新機能や機能の多さを競っているようです。売上を増やそうと、商品や機能などを「これでもか」と足し算しつづけた結果、過度なハイスペックでガラパゴス化してしまう。日本製品のブランド力の低下は、足すことで価値を生み出そうという「足し算的な発想」が一因かもしれません。

足し算よりも引き算に惹かれる消費者

「シンプルな商品は、◯◯である」

全国1000人の消費者に、この文章の空欄に自由に言葉を入れてもらいました。もっとも多いのが「使いやすい」であり、以下「簡単」「スタイリッシュ」と続いています[図表1]。上位10の単語を見ると、ネガティブな言葉は一切なく、現代の消費者がシンプルに肯定的な感情をもつことが示唆されます …

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日本市場では商品の機能性だけで差別化がしづらい、コモディティ化が進んでいると言われて久しい状況です。それでは、この環境において「何を目指して」、商品を開発すればよいのでしょうか。本特集では、技術開発以外の「商品開発」の新たな基軸を最先端の企業、事例から考えていきます。消費者が「独自性を持った価値」を感じることができることをゴールに、これからの商品開発のアプローチを考えます。

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