「義務」の買い物を「発見」に変える イオンリテールが挑む、店舗体験の再定義

公開日:2026年6月03日

  • 田中 香織氏(イオンリテール)

年間延べ10億人が訪れるイオンの店舗はいま、顧客体験の根本的な再定義に挑んでいる。数十万点の商品が並ぶ広大な売り場、20~30分という滞在時間、10万人超の従業員。イオンリテールはこれらをすべて「アセット」と捉え、デジタルとリアルを融合させた体験設計によって、日々の「義務」になりがちな買い物を、一人ひとりの生活に寄り添う「発見」へと転換しようとしている。2026年4月に新設された「リテールメディア推進部」を核に、同社が構築する顧客体験の全貌に迫る。

GMSの「広さ」と「多さ」を体験設計のアセットに変える

総合スーパー(GMS)において、顧客の多くは日々の生活を支えるための「目的買い」で来店する。しかし数十万点もの商品が並ぶ広大な売り場は、時に「何を買うべきか」という迷いや買い忘れへの不安を顧客に与えてきた。

イオンリテールでは、この「広さ」と「多さ」を逆にアセットと捉え、平均20~30分の滞在時間を体験設計の優位性として活かしている。「義務的に買い物を済ませたいお客さまにはサッと終わらせていただく。その一方で、『こんな商品がある...

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