昨今、行動ログの蓄積やAIの進化により、マーケターは顧客行動を克明に把握できるようになった。しかし定量データには、分析者の想定次第で結論が反転するという、「わかること」と「わからないこと」の境界線が存在する。データが示す結果を盲信せず、意思決定の武器とするために知っておくべき「分析の限界」とは。データ&ストーリーの柏木吉基氏が解説する。
分析の結論は「想定」で変わる その結果は「普遍的な事実」か?
「定量データを使い、データ分析やデータサイエンスを駆使すれば、客観的な事実が分かり、成果に直結する示唆が得られる」。そう考えている人は多いだろう。しかし、この認識は本当に正しいのだろうか。
まず、【図表1】を見てほしい。これは、Web上での配信頻度と、その成果とみなした来店者数との相関(関係性)の強さを各想定の組み合わせごとに示したものだ。一般に、相関係数は1に近いほど関係が強く、0.5以上で「相関あり」とされることが多い。
図表1 「宣伝の成果」をどの指標で測るか?
(1-1)28週間の広告配信回数と来店者数の表
“宣伝活動”は「頻度(回/週)」という単純な指標で捉えられがちだ。しかし、「前週からの頻度変化」と定義することも...


