ブランディングにおいてブランドの価値規定を作成しても、その内容は抽象的になりやすく、具体的な施策への指針として機能しにくいという課題は少なくない。これは、ブランドを一枚の「平面」として記述しようとする従来の手法に限界があるためだ。独自の「ダイナミックブランディング」理論を軸に、顧客のリアリティを可視化する仕組みを、富永朋信氏が解説する。
あらゆるブランドには複数の利用理由がある
好きだから買う、という購買動機を引き起こすために行う「ブランディング」は、マーケターにとって、とても大切な意味を持つ。そこで本稿では、通常行われているブランディング手法を俯瞰したときの機会点×データ活用、という観点で、そのアップデートの可能性を論じてみたい。
一般的にブランディングは、そのブランドのあるべき姿を記述した価値規定を作成し、そこに記述されたことのみを施策として実施することにより、消費者から見たときのイメージを一貫させていく、というやり方をする。筆者も例に漏れず、このようなやり方をずっと続けてきていた中で、強く感じる違和感・機会点がいくつかあった。
例えば、「価値規定を網羅的に記そうとすればするほど、抽象的になり、具体的なアクション...


