2025年9月、新東通信の谷鉃也社長は自社に向けて「AIドリブン宣言」を発表した。その日から1年、寝ている時間以外はAIツールに触れ続けたという同氏。2026年3月には、その実践録を『リーダーのための逆転AI戦略』(宣伝会議刊)としてまとめた。宣言から1年。社内への浸透、そして現場主導で挑む「エージェントOS」の構築まで、経営トップ自身の取り組みについて話を聞いた。
デジタルデバイドを突破する「意思」の重要性
ー生成AIの台頭に伴い、企業のAI活用が進んでいます。名古屋と東京に本社を置き、双方の現場を見ている立場から、現在の地域の状況をどのように捉えていますか。
DXが経営課題となった際にも同様の議論があったのですが、AIに関しても東京とそれ以外の地域では、取り組みの普及度や認識のされ方にやはり若干の温度差を感じる場面があります。
地域の中小企業や広告会社の現場から見えるAI導入の最大のハードルは「情報と判断軸の欠如」。身近に信頼できるAIの専門家や知見者が少なく、自社導入や顧客への提案にあたって「どんな会社と組み、どれくらいのコストをかければよいか」をジャッジできる判断材料がない。これが導入に二の足を踏ませる要因になっていると感じます。
しかし、私は「実績よりも先に意思がある」と考えています。当社では2025年9月に「AIドリブン宣言」を...

