シリーズ累計100万セット販売を突破したTENTIALのリカバリーウェア「BAKUNE」。一般医療機器として「着て寝るだけ」で疲労回復をサポートする同製品は、Web広告を基盤とした初期戦略から、テレビCMによる広範な認知獲得へと転換を図った。その背景には、どのような意思決定があったのか。コミュニケーション領域の実行を支えたテレシーならびに電通のキーパーソンに話を聞いた。

TENTIAL×テレシー×電通の「BAKUNE」成長戦略
「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」をミッションに掲げ、さまざまなコンディショニングアイテムを展開しているTENTIAL。
なかでも、2021年2月に発売された一般医療機器の疲労回復パジャマ「BAKUNE」は、シリーズ累計販売数100万セットを突破(2024年12月時点)。「BAKUNE」の開発にあたっては、専門家の知見を取り入れ、その機能性に関する科学的なエビデンスを提示している。アスリートのみならず、より多くの人々が日々のパフォーマンスを最大限に発揮できることを目指した製品である。
発売当初「BAKUNE」は、Web広告やYouTuberとのタイアップといったデジタルマーケティングを中心に展開し、着実に売上を伸ばしてきた。しかし、その後、広範な層への影響力を持つ、某バラエティ番組で紹介されたことを契機に、これまでデジタルチャネルではリーチできていなかった新たな顧客層からの購入が顕著に増加し、購入層に大きな変化が見られた。この変化を受け、従来のデジタルマーケティング施策だけでは、潜在的に存在する、より幅広い顧客へ十分に製品の魅力を届けられていないのではないか、という新たな課題意識を持つようになったという。
TENTIALのマーケティング戦略を統括する岩松泰平氏は、当時を振り返り、「これまで情報を届けられていなかった層へ『BAKUNE』のみならず、身体の健康を整えるためのコンディショニング製品そのものの認知拡大を目指し、2023年12月に初のテレビCMに挑戦しました」と語る。2024年末からは櫻井翔さんを起用した新たなCM展開を開始し、同社はテレビCMを認知拡大の最も効率的かつスピーディーなメディアと捉えている。「まずは、これまで『BAKUNE』の存在を知らなかった多くの方々にその名前を知っていただき、興味を持っていただくことが、すべてのマーケティング活動の出発点だと考えています」とマーケティング部でブランド戦略を担当する高砂一紗氏は強調する。
TENTIALの緻密なマーケティング戦略において、そのコミュニケーション領域全般をサポートしているのが、データに基づいた戦略立案と実行に強みを持つテレシーだ。テレビCMの制作・放映はもちろんのこと、商品の魅力を最大限に引き出すキービジュアル制作、幅広い層への認知拡大に貢献するPR施策や雑誌タイアップ、ターゲットとの接点を創出するイベントへの出展支援、そして施策実行後の効果分析まで、多岐にわたるマーケティング活動を支援した。
テレシーの代表取締役である川瀬智博氏は、その取り組みについて「TENTIALさんの素晴らしいプロダクトの価値を正確に伝えるため、まずブランドコンセプトと商品の本質的な魅力を深く理解することに注力しました。この深い理解に基づき、テレビCMを起点とした多様なコミュニケーション施策を設計することで、広範な認知拡大と購買意欲の醸成を目指しました」と説明する。
同じくテレシーのビジネスプロデュース部 部長の稲垣佑馬氏は、今回の取り組みについて次のように振り返る。「今回、ブランドコンセプトとプロダクトの魅力をしっかりと理解することからスタートし、データに基づいた分析とターゲットインサイトへの深い洞察を掛け合わせ、最適なコミュニケーション戦略を立案・実行することを常に意識していました。TENTIALさんの持つポテンシャルを最大限に引き出すため、科学的なアプローチとクリエイティブな発想を融合させた支援をさせていただきました」(稲垣氏)。
クリエイティブ戦略について、電通の橋本新氏は「『BAKUNE』が持つ疲労回復という明確な機能性を、ダイレクトかつ自然に伝えることを重視。『疲労回復は、パジャマから。』、そして効果実感を示す『BAKUNE完了。』の2つを主要なメッセージに絞り込みました。製品の本質的な価値と着用による安らぎを表現するため、CM全体のカラーパレットを落ち着いたトーンで統一し、ビジュアルにおいても、『疲労回復は、パジャマから。』という新しい選択肢が生活の中に自然と溶け込む様子を丁寧に設計しました」と語る。

テレビCMでは、製品の本質的な価値と着用による安らぎを表現した。
マーケティング施策の結果について、TENTIALの岩松氏は「CM放映開始からわずか2カ月で20万セットも売れ、店舗によっては行列ができるほどの反響をいただきました。テレビCMの影響力の大きさを改めて実感しています」と語る。
また、高砂氏はテレシーとの取り組みを「データに基づいた知見で、私たちの意思決定を的確に後押ししてくれた。Web広告中心だった当社にとって、データドリブンなアプローチは不可欠な進化であり、テレビCMという新たな領域で心強い伴走者でした」と評価する。
今後もTENTIALは、人々がコンディショニングを通じて心身を整え、健康に、そして前向きにさまざまなチャレンジができる世の中を目指す。テレシーの川瀬氏は「TENTIALさん、そして疲労回復パジャマ『BAKUNE』という素晴らしいプロダクト、ひいてはコンディショニングというカテゴリ全体を、共に大きく成長させられるパートナーでありたいと強く願っています」と語る。

お問い合わせ
株式会社テレシー
TEL:03-4577-1469
E-mail:telecy_contact@cartahd.com