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米国広告マーケティング事情

ネットで話題の癒し系サウンドASMR スーパーボウルのテレビCMに登場

「ASMR(Autonomous sensory meridian response)」とは、人のささやく声、布や紙の摩擦音、食べるときの咀嚼(そしゃく)音など、「脳に刺激や安らぎをもたらすリラクゼーション効果の高い音」という意味。YouTubeで5億回以上再生されている、米国でホットなコンテンツだ。2月上旬に開催されたスーパーボウルでも「ASMR広告」が数タイプ放映されるなど、広告業界に影響を及ぼしている。

大自然の中で酔いしれる オーガニックビールを音で演出

「ミケロブ・ウルトラ」のCM(1)は、スーパーボウル前にリリースされた中で最も注目度の高い広告となった。それは現在社会現象となっているASMRスタイルで制作されたものだったからだ。

本編45秒CMは、ハワイの海や山、滝などの自然風景の映像と音が3秒ほど流れた後、突然静寂に変わる。次に映し出される山の麓のテーブルに座っているのは、女優のゾーイ・クラヴィッツ。テーブルの両サイドにはマイクが備え付けられている。彼女はまず右側のマイクに顔を近づけ、「さあ皆さん、ここで何かを経験しましょう」と消えそうなほどか細い声でささやき、続いて左側のマイクに向かって「一緒に」とささやく。

これはASMRファンが繊細な音や声を楽しむため、普段からヘッドフォンを使って左右別々の音を聞く習慣を持つことを意識したもの。テレビCMとはいえ、スーパーボウルのCMなどはオンラインで視聴するファンが多いことを想定した演出となっている。

クラヴィッツはミケロブ・ウルトラの瓶に爪を立て「チリンチリン」と音を鳴らした後、机の上に円を描くようにボトルの底を滑らせてから栓を抜く。静寂のなかで響くウィスパーボイス、爪で瓶を叩く音、ボトルの底が擦れる音、ビール栓の抜ける音はいずれも、人々が酔いしれるASMRの「癒しサウンド」である。

最後にクラヴィッツは「このビールはとてもピュア。それを味わうことができます。ミケロブ・ウルトラ・ピュア・ゴールド。オーガニック・ビール」とささやきながら、シズル感あふれる音を立ててグラスにビールを注ぐ …

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先進企業の最新事例を現地から松本泰輔氏がレポートします。