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私の広告観

音楽プロデューサー 亀田誠治が語る「トップクリエイターの条件」

平井堅、スピッツ、いきものがかり、JUJUなど人気アーティストのヒット曲を多数手掛けてきた亀田誠治さん。広告界では箭内道彦さん、森本千絵さん、大宮エリーさんらとの親交も深く、トップクリエイターとしての志は、音楽も広告も相通ずるものがある。「J-POPを誰よりも愛する男」である、亀田さんのクリエイティビティの源泉はどこにあるのか。

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音楽プロデューサー 亀田誠治さん(かめだ・せいじ)
1964年米国生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。89年音楽プロデューサー、ベースプレイヤーとして活動を開始。椎名林檎、平井堅、スピッツなど多数のアーティストのプロデュース、アレンジを手掛ける。2004年に東京事変を結成、12年に解散。07年第49回日本レコード大賞編曲賞を受賞。最近では映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(13)の音楽監督を務めた。

制約のある仕事ほど燃える

5月末、国立競技場で最後の音楽イベント「JAPAN NIGHT」が開催された。2日間で11万人を動員したこのイベントの初日、亀田誠治さんは音楽監督を務める傍ら、ベーシストとしてステージに立った。出演は桜井和寿とGAKU-MCのユニット・ウカスカジーのほか、いきものがかり、ゴスペラーズなど。日本のJ-POP界を代表するアーティストが国立の最後を盛り上げようと集結した。

実はこの豪華イベントの企画、亀田さんの元に話が舞い込んだのは3月初旬のこと。準備期間は、わずか3カ月足らずだったというから驚きだ。ところがそんな状況にプレッシャーを感じるどころか、「僕はこういうの大好き(笑)。制約条件がある仕事の方がゾクゾクするし、むしろ燃えますね」と言い放ってしまう。それこそが、亀田誠治という音楽プロデューサーの「心意気」なのだ。

「不思議なことにハードルが高い仕事の方が、結果的に作品や企画自体が磨かれるんです。それは多くのスタッフの強靭な思いがぶつかりあって、プロデューサーである僕自身も強靭な意志を持って取捨選択しながら、主体的に取り組むからだと思います。すると自然と、広く人々の心を捉えるようなポップ性が磨かれて、どんな企画もカラフルな仕上がりになる」。

「国立の歴史的な節目に、仕事人として関わることができる」という幸せを噛みしめながら、ステージに立ったという亀田さん。そこから見える光景は格別という。「イントロが始まると、何万もの人が一気に笑顔に変わる瞬間が分かるんです。ライブを演るたびに、ヒット曲は多くの人を幸せにするためにあると実感させられますね」。

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「気づいたら、バナナを食べながら歯を磨いていたこともある(笑)」というほど、せっかちだという亀田さん。求められるタイアップ楽曲の制作スピードもこの10年でとにかく早くなったというが、締切やミッションが厳しい仕事ほど燃える。「プロデュースもアルバム一枚ではなく、シングルの表題曲を必ずヒットさせよ!というお題をいただくことが増えましたね」。

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国立競技場最後の音楽イベント「JAPAN NIGHT」のステージから(5月28日)。

過去のヒット曲から学ぶこと

この10年で広告業界と同じく ...

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