ステークホルダーに自社の長期的な価値創造の仕組みや実績などの情報を届けるIRツール。制作におけるポイントについて担当者に聞いた。
| DATA | |
|---|---|
| IR部門の体制 | コーポレート・コミュニケーション部IRグループ 在籍人数7人 |
| IR部門のミッション・目標 | 住友林業の事業や成長ストーリーに対する理解を国内外の投資家へ広く浸透させ、対話を通じて企業価値のさらなる向上と市場からの適正な評価につなげる。 |
| 統合報告書の制作体制(主担当部門、関与部門、担当者人数、役割分担の考え方) | 主担当部門:コーポレート・コミュニケーション部IRグループ 関与部門:各事業本部、サステナビリティ推進部、総務部ガバナンスグループ |
| 役割分担 | 主担当1名を中心にIRグループメンバーで全体の企画・構成を行い、関連パートは社内関係部署とも連携し作成。 |
| 統合報告書の想定読者(例:機関投資家、個人投資家、従業員、その他ステークホルダー など) | 主要読者:機関投資家、個人投資家、従業員、その他ステークホルダーなど。 |
森林経営から木材・建材の製造・流通、さらに木造建築、木質バイオマス発電まで、多様な事業を展開する住友林業。『統合報告書2026』では、独自のバリューチェーン「ウッドサイクル」の意義を改めて整理した。投資家との対話を起点に、企業価値の源泉をどう伝え直したのか。制作を担うIRグループに聞いた。
投資家との対話が背景
住友林業が2026年に発行した『統合報告書2026』。冒頭の編集方針には、「『ウッドサイクル』の意義をあらためて明示し、当社の考え方を整理しました」と記されている。「ウッドサイクル」とは、森林経営を起点に、木材・建材の製造・流通、木造建築、木質バイオマス発電まで、「木」を軸に展開する同社独自のバリューチェーンを示す考え方だ。2022年2月、2030年を見据えた長期ビジョン「Mission TREEING 2030」の策定時に打ち出された。
決して2026年版で初めて登場した概念ではない。むしろ、ここ数年にわたり統合報告書の価値創造ストーリーの中核に置かれてきた。それをなぜ、今回あらためて説明し直す必要があったのか。
コーポレート本部 コーポレート・コミュニケーション部 IRグループの横田夏紀氏は、その背景に投資家との対話があったと話す。「ウッドサイクルという概念自体は理解いただけるようになった一方で、『それぞれの事業とはどうつながっているのか』『住友林業ならではの競争優位はどこにあるのか』といった質問をいただくことがありました」(横田氏)。
例えば森林事業は、海外住宅事業などと単純に収益性だけを比較すれば、その役割が見えにくい。しかし、森林を育て、伐採した木を利用し、再植林する循環そのものが、森林に...

