新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。
メディアが注目しやすい
「地域性」「社会性」「新奇性」を
訴求して大きな広報効果を獲得!
今回紹介するのは、住宅メーカーが新規事業として「AI面接官」のシステム販売を始めたという非常にユニークなリリースです。
配信元は悠悠ホールディングスのグループ会社であるAINO。人材採用でAI面接官を導入する企業は年々増えており競合も多数ある中、広報活動を始めたばかりにもかかわらず、多数のテレビ取材を獲得しました。本業とは異なる分野の新規事業ながら、見せ方の工夫によって大きな広報効果を生み出した、非常に学びの多い好事例といえるでしょう。
そもそも、なぜ住宅メーカーがAI面接官を開発したのかをAINOの代表取締役・北島靖隆さんに聞いてみると、主な理由は2つありました。
ひとつは、同社も同業他社と同様に人材確保が年々深刻な課題になっていたこと。加えて定着率も低く、2021年7月期には年間の離職率が27%に達してしまったといいます。
AIとの面接は、応募する人にとっては心理的負担が少なく、最先端のAIを導入している企業だという信頼感があります。一方、採用する側にとっては面接担当者の「勘」や「情」、受験者の「学歴」や「外見」といったバイアスを取り除き、AIが客観的に判断することで定着率向上が期待できます。
もうひとつは、この事案に限らず事業の多角化を進めていたこと。北島さんは全社のDX推進の責任者を務めており、働きながら九州大学大学院でMBAを取得しました。
「ちょうどその頃、社会にAIが本格的に導入され始め、私が2年間必死に勉強して取得したMBAもAIがあれば一瞬...


