広報担当者にとってSNSは欠かせない接点である一方、「投稿しても届かない」「成果が見えにくい」といった悩みも深まっている。企業の情報流通やデジタルPRの支援に携わるプラップノードコンテンツマネージャーの桃井克典氏に、広報が持つべき視点を聞いた。
全体成果を観測する場
─近年、企業から寄せられるSNS広報やデジタルPRに関する相談内容はどのように変化していますか。
SNSが広報活動の一部として、以前よりも当たり前の存在になっていると感じます。そのため、企業からの相談自体も増えています。
ただし、相談の内容は変わってきました。以前は「公式アカウントをどう運用すればよいか」「投稿文をどう書けばよいか」「ハッシュタグをどう付ければよいか」といった、投稿そのものに関する相談が中心でした。
現在は、自社の投稿だけを見ていればよい状況ではありません。生活者は、企業の公式アカウントだけでなく、ニュース記事、メディアの記事、インフルエンサーの発信、一般ユーザーの投稿など、さまざまな経路から情報に接触しています。企業が発信した情報も、自社の投稿とは別の場所で共有され、語られ、拡散されていくようになりました。
そのため、「自社の情報がどのように共有されているのか」「どのように読まれ、見られ、受け止められているのか」を把握したいという相談が増えています。SNSは単なる発信の場ではなく、社会の中で自社がどう見られているかを可視化する場にもなっていると思います。
─企業の情報発信が「届きにくくなった」と言われる中で、マスメディアとSNSの関係はどう変化していますか。
マスメディアには、今もなお情報を短期間で全国的に広げる力があります。一方で、テレビを見ず、SNSを主な情報源にしている人も増えています。ターゲットによって情報接触のあり方が異なるため、マスメディアとSNSはどちらも重要です。
また、両者は別々に存在しているわけではありません。マスメディアで報じられた内容がSNSで共有されることもあれば、SNSで話題になったことがテレビや新聞などで取り上げられることもあります。情報流通の中で、相互に影響...


