新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。
AI任せのリリースが増加する
今こそ、メディア側の感情に
働きかけるリリース作成を!
AIが社会に浸透し、便利に活用している人も多いと思います。もちろん私もその一人ですが、広報の現場においては、それによる弊害も生じているのをご存じでしょうか。
最近、メディア関係者と接する際に「AI任せでつくられた精度の低いリリースが増えた」という嘆きの声を耳にすることがあります。確かにAIを使えば知識やスキルがなくても手軽にリリースを作成できますが、その分、質の低いリリースが急増し、メディアを閉口させているとしたら、広報のプロとしては由々しき事態です。
基本に立ち返ったリリース
そこで今回は基本に立ち返り、AIに頼らず作成したリリースを紹介します。A4用紙1枚に簡潔かつ的確にまとめており、記事掲載にも結びついた学びの多いリリースです。
1962年創立のベティスミスは、日本初のレディースジーンズメーカーであり岡山のジーンズ文化を牽引している企業です。取り上げるのは、同社が2026年7月に配信した「デニム自販機」のリリース。
同社ではもともと、余ったデニム生地で小物などをつくり、駅や空港、高速道路のサービスエリア(SA)などで販売し、好評を博していました。それならば自販機でも販売できないかと代表取締役社長の大島康弘さんが発案。せっかくならジーンズも販売したら面白いということになったのです。
2025年末から条件に合う販売機探しや商品の検討などが始まりました。多くの課題がある中で、もっともネックになったのはサイズの問題です。ご存じのようにジーンズは、体型に合わせたサイズ選びと試着が当たり前の商材。それを試着なしで購入できるよ...


