「歴史」と「姿勢」を伝える 130周年 東京建物が描くインナーと アウターの「循環」

公開日:2026年10月30日

  • 東京建物

2026年10月1日、東京建物は創業130周年を迎えた。この節目を「これを機にしか発せないメッセージがある」と捉えたのは広報だった。企業CMと新聞の連載広告で社外に何を伝え、それをどう社内へつなげたのか。

POINT

① 平常期には語りにくい「歴史」を、周年を機に打ち出した

② 経営と対話を重ね、「企業姿勢」を示す「ハートマーク」のモチーフが生まれた

③ 日経新聞で役職員の「ひとこと」を89本掲載し、社内外をつなぐきっかけに

2026年10月1日、東京建物は創業130周年を迎えた。1896年の創業以来、社名を変えずに事業を続けてきた、日本で最も歴史ある総合不動産デベロッパーだ。

もっとも、当初は150周年ほどのきりの良さもなく、中長期の経営計画と年次が揃わないなどの背景もあり、会社として記念事業を行うような大々的に周年を捉える動きはなかったという。周年特設サイトも企業広告のものにとどめている。「130周年を一番大きく捉えていたのは、我々広報メンバーだったように思います。これを機にしか発せないメッセージがあるはずだと考えたんです」。コーポレートコミュニケーション部広報室課長の後藤翔太氏はこう振り返る。周年企業広告は、3人ほどの広報室員が主導することに。議論を始めたのは、創立記念日の約1年前だ。

周年だから語れること

平常期の企業CMは、事業紹介などのファクトが軸だった。ただ、ファクトを優先するほどメッセージ性は弱まる。周年に向けては、伝えたいことをゼロから考え直した。

軸に据えたのは2つ。ひとつは歴史性だ。ブランド調査では、歴史がある企業として同社の名前は上位に...

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社内外をつなぐ「循環」広報

企業が社会に向けて発信する情報は、それだけで完結するものではありません。メディアでの報道、顧客や投資家からの評価、従業員や取引先の声など、発信の先にはさまざまな反応が生まれます。企業を取り巻くステークホルダーとの接点が増えるなか、広報にも、そうした反応を捉え、次の企業活動へどう生かすかという役割が求められています。しかし、社外から得た声や評価が広報部門の中にとどまったり、掲載実績や数値として報告されるだけで終わったりすることも少なくありません。重要なのは、返ってきた反応を経営や現場、他部門へ戻し、次の判断や発信、事業活動につなげることです。そこでは、社会の変化を捉える力だけでなく、社内にある情報や価値を掘り起こし、部門を越えてつなぐ力も問われます。本特集では、こうした一連の動きを「循環」という視点から考えます。社会から得た反応を、次のコミュニケーションだけでなく、企業活動を支える資産へとつなげる。広報が社内外をつなぐことで生まれる価値を、理論と事例の両面から探ります。

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