検索やフォローといった能動的な探索から、レコメンドによる受動的な提示へと移り変わったSNS。今、広報に求められるのはアルゴリズムに見つけてもらう設計だ。変化に柔軟に対応し、出会った人々を新たなファンに育てる仕組みを紐解く。
POINT
① SNSの影響力はフォロワー数ではなく、コンテンツ単位の評価が大きい
② 短期の成果や固定的なターゲットに振り回されず、中長期資産となるコンテンツの蓄積を設計
③ すべてのチャネルに「乗り込む」のではなく、目的に合うか「見極める」視点
現在のSNSは、「フォロワーとのつながりを基盤とするメディア」から、「アルゴリズムが選んだコンテンツとの出会いを基盤とするメディア」へと、構造を大きく変えてきていると感じます。TikTokのおすすめが象徴的ですが、Instagram、YouTube、Xのいずれも、ユーザーがフォローしていないアカウントの投稿が推奨枠に大量に流れ込む設計になっています。
この変化は、企業広報にとって大きな意味を持っています。これまでは、地道にフォロワーを増やし、その人たちに情報を届ければ良かった。逆に言えば、フォロワー数こそが影響力の代理指標でした。しかし今は、数十万フォロワーを抱えていても、アルゴリズムに選ばれなければ自社の投稿はあまり届きません。逆に、フォロワーがほとんどいないアカウントでも、1本のコンテンツが数百万回再生される可能性があります。発信者の影響力が、固定的なストック型から、コンテンツ単位のフロー型に変わったと言えます。
もう一つの重要な変化は、ユーザーの情報接触が「能動的な探索」から「受動的な提示」へと移ったことです。検索やフォローといった能動行為に基づく接触から、アルゴリズムが「あなたが見たがる情報」を差し出してくる接触へと変わりました。
以上を踏まえると、広報が問うべきは、「届けたい人にどう届けるか」だけでなく、「アルゴリズムに見つけてもらえるコンテンツをどう設計するか」、そして「アルゴリズム経由で出会った人をどう自社の継続的なファンに育てるか」になっています。一方、フォロワーやユーザー同士のネットワークも引き続き重要なので、両方を踏まえての広報戦略が大切になると...


