生成AIの悪用などもあって増加傾向のSNS炎上。過激な投稿ほど拡散されるアルゴリズム環境下では、初動での正確な情況判断が企業の命運を分ける。炎上を「起こさない」だけではなく、「起きてしまった後の信頼回復」までを視野に入れた対策を重ねたい。
Point
① ネット炎上はわずか0.00025%の少数の声だが、アルゴリズムで増幅されてしまう
② 過激な言葉や過剰な謝罪に惑わされず、発生源に応じた平時の備えと初動24時間以内の判断軸を設計
③ 短期の火消しに終始せず、中長期の信頼回復を見据えた「事実を説明する力」が重要
近年のSNSリスクで最も注視すべき変化は、私が普段「炎上」「フェイク情報」「生成AI」と呼んでいる3つの問題が、別々ではなく相互に絡み合いながら拡大している点だと考えています。デジタルリスクマネジメントを支援するシエンプレの調査では、ネット炎上の件数は2025年に1543件にのぼり、特に下半期に約2.5倍に急増しました。今後は、生成AIによる偽情報が炎上の火種となり、それがアルゴリズムで増幅される、という連鎖が増えることも懸念されます。
中でも広報が警戒すべきは、生成AIによるブランド悪用です。日本では2024年、実業家のディープフェイク動画を用いた投資詐欺で、複数の被害が報じられました。その後も影響は拡大し、2025年のSNS型投資詐欺全体の被害額は1200億円を超えます。また、偽口コミ・偽レビューも深刻です。生成AIによって、文法的に自然な偽レビュー文を大量に作成し、...


