なんとなく入りづらい? 記者クラブの意義と関係づくり

公開日:2026年3月31日

  • 片岡英彦(東京片岡英彦事務所)

昨今、不祥事などの記者会見でも話題になりがちな「記者クラブ」。伝統的な手法である一方、どこか輪に入りづらい雰囲気があるような気も……。多様な情報交換の手段がある今だからこそ、改めてその価値を問い直したい。

記者クラブの本質的な価値は、単なる情報配信の効率的な窓口ではなく、メディアとの「(構造化された)信頼関係の場」という点にあります。私は日本テレビの報道記者だった時から記者クラブに出入りしていましたが、後に企業の広報担当として同じ場に立つと、空気の感じ方がまったく異なることに驚きました。

記者側には「掲載するかどうかを決定する権限」があり、広報部門はあくまで「掲載していただく」という立場なのです。報道と広報の両側を経験した身として、非対称性を感じました。

広報にとって最大のメリットは、定例的な場として担当記者との関係を積み重ねられる仕組みにあります。特定の業界や社会課題を専門とする記者が集まるため、自社が発信する情報(パブネタ)のニュース価値が正当に評価される土台が整いやすい。平時から顔の見える関係を築いておくことが、いざという時の報道の文脈にも微妙な差を生み出します。

コミュニケーションの変化も影響

一方で、コロナ禍に伴うオンライン化を経て、記者側のコミュニケーション方法も大きく変わりました。変化に戸惑っているのは、広報担当者だけではなく、記者も世代交代のさなかにあるのです。またZ世代の若手記者だけでなく、管理職クラスでさえ、...

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ストーリーをつむぐメディアリレーション

企業が社会と向き合ううえで、メディアとの関係は今も重要な接点のひとつです。しかし、メディア環境が大きく変化するなかで、単に取材を獲得することだけでは、広報活動の価値を十分に捉えることはできなくなりつつあります。ニュースはどのように生まれ、どのような文脈の中で記事として形づくられていくのでしょうか。企業が発信する情報と、メディアが伝えるストーリー。その接点にあるのがメディアリレーションです。広報活動において、取材の実現は大切な成果です。しかし、それはゴールではありません。露出に至るまでの情報設計、記事化の過程、そして露出の後に続く関係。こうした一連のコミュニケーションの積み重ねが、企業と社会の関係を形づくっていきます。そこで本特集では、「ストーリーをつむぐ メディアリレーション」をテーマに、寄稿やインタビュー、事例を通して、メディアとの関係をコミュニケーション全体のプロセスとして捉える視点を提示します。

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