昨今、不祥事などの記者会見でも話題になりがちな「記者クラブ」。伝統的な手法である一方、どこか輪に入りづらい雰囲気があるような気も……。多様な情報交換の手段がある今だからこそ、改めてその価値を問い直したい。
記者クラブの本質的な価値は、単なる情報配信の効率的な窓口ではなく、メディアとの「(構造化された)信頼関係の場」という点にあります。私は日本テレビの報道記者だった時から記者クラブに出入りしていましたが、後に企業の広報担当として同じ場に立つと、空気の感じ方がまったく異なることに驚きました。
記者側には「掲載するかどうかを決定する権限」があり、広報部門はあくまで「掲載していただく」という立場なのです。報道と広報の両側を経験した身として、非対称性を感じました。
広報にとって最大のメリットは、定例的な場として担当記者との関係を積み重ねられる仕組みにあります。特定の業界や社会課題を専門とする記者が集まるため、自社が発信する情報(パブネタ)のニュース価値が正当に評価される土台が整いやすい。平時から顔の見える関係を築いておくことが、いざという時の報道の文脈にも微妙な差を生み出します。
コミュニケーションの変化も影響
一方で、コロナ禍に伴うオンライン化を経て、記者側のコミュニケーション方法も大きく変わりました。変化に戸惑っているのは、広報担当者だけではなく、記者も世代交代のさなかにあるのです。またZ世代の若手記者だけでなく、管理職クラスでさえ、...


