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社会に広がるPRの力2019

大学病院のイメージを変えたい! 震災をきっかけに広報室を設置

ポップな誌面デザインが印象的な、東北大学病院の広報誌『hesso(へっそ)』。広報機能もなく、対外発信に力を入れていなかった大学病院が、オウンドメディアを活用した情報発信を重視するようになったきっかけとは。

東北大学病院 広報体制
広報担当 7人(うち広報誌担当は2人)
業務範囲 メディアリレーション、広報誌(紙版・ウェブ版)制作、公式ウェブサイト運営など
目的 地域社会との信頼関係の醸成

「怖い」「できれば行きたくない」──そんなマイナスイメージの強い大学病院。最先端医療の研究を行っている機関であり、高度な治療を必要とする患者の来院も多いため、民間病院よりも地域からは心理的に遠い存在と思われがちだ。

このような課題に広報の力で挑んでいるのが、仙台市の東北大学病院。誰もが親しみを持てるポップなデザインの広報誌『hesso(へっそ)』が、患者や地域住民などから多くの反響を得ている。病院内外で年4回、1万部ずつ配布しているほか、ウェブ版も制作している。

賛否両論だったデザイン案

『hesso』のコンセプトは「カラダと地域のまんなかに」。名前の由来は身体の真ん中にある"へそ"で、地域の"へそ"のような存在になりたいという想いが込められている。この想いは、2011年の東日本大震災をきっかけに生まれた。被災地にある病院として、被災者の受け入れや地域に対する支援活動を行うなかで、「平時から地域社会とのコミュニケーションを大切にしたい」と考えるようになったのだ。

そこで2013年4月、病院長直下に広報室を設置。患者や地域住民に、大学病院を身近に感じてもらうことを目的に広報誌の制作をスタートした。紙版にこだわったのは、デジタルになじみのない高齢者にも手に取ってもらいやすいからだ。

立ち上げから関わった広報室副室長の溝部鈴氏によると、最も苦労したのが全体方針の設計。「広報に求められていたのは"大学病院のイメージを変えること"だったので、デザイン会社には"先入観なしに提案してほしい"と伝え、まっさらな状態から企画しました」と話す。

その結果、デザイン会社から『hesso』という名前やポップなデザイン案があがってきた。業界内では異色の試みだったため院内で賛否両論があったものの、最終的には「新しいことに挑戦していかなければ意味がない」と採用が決まった。

読者ニーズを医師にヒアリング

誌面で取り上げるのは、主に健康や医療に関する情報。巻頭特集では、季節の関心ごとや世の中で注目されている話題などを幅広く扱う。院内ニュースや紹介したい科に紐付けて企画を考えることもあるが、「自院の取り組みを紹介する記事は巻頭特集8ページのうちの3分の1以上の分量にならないように注意しています」と溝部氏 …

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広報とは社会との合意形成を担う仕事です。近年は適時開示が求められる上場企業のみならず、中小規模の企業や団体、学校法人や医療法人、NPO・NGOなどにも広報の活動は広がっています。今ではあらゆる組織体に、広報の力は欠かせません。平成から、「令和」へ。ますます広がるPRの力を駆使し、独自のフィールドで社会課題を解決したり、社会との接点を広げたりと活躍しているキーパーソンへのインタビューをお届けします。

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