ブラザー工業が2016年に発売したラベルライター「ピータッチ キューブ」の売れ行きが好調だ。記者の試用機会を創出するイベントの場も活用し、1年で目標販売台数の2倍を達成している。

文具王こと高畑正幸氏(右から3人目)など専門家らが登壇した。
スマートフォンでラベルシールが作成できるブラザーのラベルライター「P-TOUCH CUBE(ピータッチ キューブ)」。シリーズ第2弾となる新モデル「PT-P710BT」の記者発表会が2018年1月30日(火曜)、イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA(東京・中央)で行われ、大手メディアだけでなくIT系のメディア、女性誌など50媒体68人の記者やブロガーが出席した。
伝えたくなるような文脈づくり
ブラザー工業製品の国内PRを担うブラザー販売の内村美沙季氏(マーケティング推進部 広報宣伝グループ)は、発表会の構成について「記者の求める情報は媒体によって異なる。新モデルの2つの特長を軸に、テクノロジーの説明から家庭での活用事例まで、幅広い記事を想定しました」と語る。
ピータッチ キューブ新モデルの最大の特長は、QRコードをラベルに印刷することで画像や動画、URLなどを手軽に共有できる「シェアラベル」機能。発表会では、シェアラベルを監修した文具王こと高畑正幸氏が開発の裏話を披露した。
会場内には記者が実際に製品を使い、ラベルの作成を体験できるブースを設置したほか、お土産も工夫した。QRコード付きのシェアラベルを貼ったお菓子を配り、スマートフォンで読み取って動画を視聴するように誘導。動画の内容によってもらえるお土産の色が替わるクジ方式で、思わず試してみたくなるような仕掛けをつくった。
もうひとつの特長は、家庭向けだった初代モデルとは違い、店舗や職場での使用も想定していること。具体的な使用イメージを伝えるため、整理収納・カフェ・美容という3人の専門家を招いてトークセッションを行った。3人は実際に家庭や店舗でラベルを活用している様子を写真で紹介。開発を担当したブラザー工業の伊藤みずえ氏(ラベリング&モバイルソリューションズ事業 事業企画部商品企画グループ)も登壇し、3人の話に紐づけて商品の特性を解説した。
「"一番初めの消費者"であるメディアの方には、商品を気に入っていただき、当社のファンになっていただくことも重要です。今回は、専門家による納得感のある商品説明に加えて、ラベルの作成や利用の体験もしていただくことで"これは使える""面白い"と、人に伝えたくなるような文脈づくりも意識しました」と内村氏 …