取り組みの成果が見えにくいと言われる広報・PR領域にも、国内外の優れた活動事例を評価する数多くのアワードがある。右ページの表はその一部。個人のスキルアップや部門のレベルアップに役立てたい。

日本パブリックリレーションズ協会が主催する「PRアワードグランプリ」の表彰式。国内の優れた広報・PR活動事例を顕彰している。
60年以上の歴史があるカンヌライオンズにPR部門が設けられたのは2009年と新しい。もともと広告業界では世界で最も権威ある賞としての地位を築いていたが、PR部門が新設されてからはその門戸が広がり、日本からもPR関係者の参加が増えている。
こうしたことからも分かるように、マーケティングコミュニケーションの領域でPRの発想に注目が集まっているのは世界共通の傾向だ。世の中で話題になるようなコンテンツを作成したり、マスメディアからSNSによる拡散まで、情報の伝わり方を想定して発信の仕方を組み立てるような取り組みによる成功事例は、PR部門に限らず他部門でも高く評価されている。
社内の評価高まる効果も
優れた取り組みを顕彰するこうしたアワードに参加することのメリットは何か。ひとつは、自らの取り組みが、第三者に評価される貴重な機会であること。広報やPRは外から見えにくい仕事が多く、その価値を他社と比較することも難しい。上長やクライアントだけでなく、第三者に公平な目線で審査され、場合によってはそのフィードバックを受けることができる。エントリー資料を作成する過程で、自らの仕事を振り返り整理するのに役立ったとの声も聞かれる。
受賞できれば、社内での広報・PR部門の評価を高めることにつながる。社外から評価されることで、広報部門への社内からの協力が得やすくなるといった副産物もある。受賞が広く知られることで、他社の広報担当者から手本にされるなど、新たな人脈やネットワークが生まれることもひとつのメリットになるだろう。
チャレンジすべき目標ができることも、評価が難しい広報やPRの部門を運営するにあたってはメリットと言える。他国のPRプランナーと競い合える海外アワードに挑戦できるとなれば …