産業廃棄物の処理・リサイクルで培ってきた顧客基盤や技術力を、次の成長にどう生かすか。ダイセキは、自社に蓄積してきた強みを捉え直し、「廃棄物処理会社」から「課題解決型企業」への進化を目指している。
POINT
1.自社の強みは、事業の中で培ってきたものを見つめ直すことで輪郭が明確になる
2.顧客基盤や技術力などの強みを掛け合わせることで、顧客課題の発見と解決につながる
3.既存事業の「深化」と新たな領域への「進化」を両輪に、課題解決型企業を目指す
工場から排出される廃液や廃油などを回収し、リサイクルする。ダイセキは長年、産業廃棄物処理を中核に事業を成長させてきた。
しかし、その市場環境には変化が起きている。常務執行役員 片瀬 秀樹氏は、廃液の入荷量について、リーマンショック以前と比べて伸び率が鈍化してきたと話す。国内の鉱工業生産も伸び悩み、日本全体で産業廃棄物の排出量も横ばいから微減傾向にある。新たな顧客を開拓することで取扱量自体は維持・拡大しているものの、従来と同じ延長線上で成長を続けることへの危機感があった。
一方、同社では従来の廃棄物処理にとどまらず、顧客が抱えるさまざまなニーズを捉え、対応領域を広げようとしている。こうした変化を踏まえ、ダイセキが掲げるのが、「廃棄物処理の専門企業」から「サーキュラーエコノミーにおける課題解決型企業」への進化だ。
ただし、それは現在の事業から離れ、まったく異なる領域へ移るという意味ではない。
「今の事業には、高い技術や専門性、私たちにしかないノウハウが蓄積されています。この強みをさらに磨いて利益を生み出しながら、その利益を新しいビジネスの種にも振り向けていく。既存事業を深める『深化』と、新たな領域へ進む『進化』を両方進めていくことが重要です」と片瀬氏は話す。
2026年版統合報告書でも、既存事業の競争力をさらに磨く「深化」と、顧客の環境課題を起点に新たな価値を生み出す「進化」を、成長の両輪として位置づけた。
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