「戻ろう」から始まったブランド再定義 OSAJIが時間をかけて、全拠点で交わした対話

公開日:2026年10月01日

  • OSAJI

2027年に10周年を迎えるOSAJI。その手前で、社員主体の「ブランド再定義プロジェクト」が動き出した。限られた予算のなか、約1年かけて全国の拠点を巡回。一人ひとりの言葉を引き出していった過程と、その先に開いた社外への扉について聞いた。

POINT

1. 社員6人の委員会が約1年かけて全拠点を訪問。限られた予算のなか手づくりで設計

2.「同じ言葉でも見え方が違う」を可視化。共通言語が組織の距離を縮めた

3. 社外発表はメディアではなく、まず社員と取引先300名へ。順に輪を広げる

2025年の社員総会。開始の合図とともに、1分43秒の映像が流れた。制作したのは、OSAJIブランドディレクター兼代表取締役の茂田正和氏。ナレーションも自ら吹き込んでいる。

「今、危機に直面している。気づかないうちに変化を恐れるようになった。他者と比較し、独創性を見失い、逸脱することを恐れるようになった」。静かだが強い言葉が続き、最後はこう結ばれる。「窮屈な毎日から脱却しようと、OSAJIという船に乗ったのではなかったか。戻ろう」。

OSAJIは2017年、群馬県高崎市でめっき加工を営む町工場・日東電化工業の一事業として誕生したブランドだ。コロナ禍に事業が急拡大し、社員数も一気に増えた。

「化粧品業界の経験者が増えるにつれ、『美容』という軸で語られることが多くなりました。一方で、茂田の頭の中では、クリエイティブの一環として、ライフスタイルのひとつとしてプロダクトを提案しているという感覚。そこにズレが生じていました」と同社広報の酒井陽子氏は振り返る。

2023年10月には分社化して新会社となり、その後、丸紅などとの資本業務提携も結んだ。より多くの人に届けるためのマーケティングも始まる。「規模が大きくなって、さらに頑張っていこうとなった時に、茂田が描いていた世界観から少し乖離してしまう部分がありました」(酒井氏)。映像は、その危機感を共有するための一手だった。2027年に迎える10周年の、手前のこと。同社の「ブラ...

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