2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた、政府による国際スポーツ貢献事業「Sport for Tomorrow」。その一環で2015年、「つくば国際スポーツアカデミー(TIAS)」が始動した。TIASの広報戦略を担っているのが、海外事業広報戦略ディレクター・塚本拓也さんだ。

認知を広げるために短期プログラムを実施。オリンピックのイベントマネジメントや日本の文化・マナーを学ぶ場に。
日本初の国際アカデミー
─「Sport for Tomorrow」のプロジェクトにおいて、TIASはどんな役割を果たしていますか。
TIASは、国際スポーツマネジメント人材を育てるために、文部科学省(現スポーツ庁)が筑波大学に委託し創設した学位プログラム(修士)です。現在は2015年9月に入学した1期生18人が学んでおり、日本人はそのうち4人で、ほか14人がアジアを中心とした11カ国からの留学生。スポーツマネジメントの授業を行う教育機関は日本にもありますが、TIASのように授業をすべて英語で行い、グローバルな環境でスポーツマネジメントを学べる大学院は日本初となります。
政府のプロジェクト「Sport for Tomorrow」には、TIASのほかにも「スポーツを通じた国際協力」「アンチ・ドーピング推進」という2つの活動がありますが、すべての活動が目指すべき目的は「スポーツの価値を多くの人に伝え、オリンピック・パラリンピック・ムーブメントを広げていくこと」。それを見据えて2014年7月、TIASは国際オリンピック委員会(IOC)が中心となり設立したスポーツマネジメント大学院のAISTS(スイス)と提携しました。この連携は日本での教育の質を高めると同時に、国外へ向けたTIASの広報戦略としても重要でした。
AISTSはIOCが本拠地を置くスイスのローザンヌにあり …