広報活動の目的は、発信をすること、メディアに取り上げられることではありません。経営と密接に結びついた戦略的なPRの考え方、そしてそのためのパートナー選定について解説します。
広報の最大の魅力は「経営をPRで加速させる」ことができる点にあります。広報は単なる情報発信ではなく、企業の成長戦略と直結する重要な機能です。
広報という仕事の醍醐味
企業の広報活動を「リンゴの木」に例えると、まず根っこの部分には理念、ビジョン、経営戦略、組織、サービスといった「企業の根幹」があります。これがしっかりしていなければ、どれだけ発信を強化しても成果にはつながりません。次に幹の部分が「第一想起」、つまり「◯◯といえばこの会社」と認知されるためのブランディングの軸です。
そして、そこから枝として、創業者のストーリー、開発背景、お客さまの声、イベントなど、広報が発信する「ネタ」が生まれます。最後に、葉っぱの部分で「発信ツール」を検討し、メディア露出、SNS運用、自社サイト運営などを通じて外部へ発信されます(図)。
図 広報活動をリンゴの木に例えた概念図

このように根から葉まで丁寧に育てていくことで、最終的にリンゴの実として、①売上向上、②顧客からの問い合わせ増加、③採用力の強化、④社員のエンゲージメント向上、⑤資金調達力の向上、⑥事業提携機会の増加、⑦メディアからの出演依...